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Mar 28, 20:49
東方零月牙 〜操り人間編〜
第五話「謎の女」後編

視界が光に包まれた。
その直後
「うあっ」「痛っ」
二人の体は地面に叩きつけられる。
二人の頭は混乱していた。あの光は恐らく霊夢のスペルだろう。あれを食らったらひとたまりもないはずだ。
「痛た…一体何が…」
フランは起き上がる
「……竜牙…さん?」
鈴仙の声に思わずそっちを見た。
そこには
「…竜牙!」
そこにはボロボロで倒れている竜牙がいた。
「竜牙!しっかりして!竜牙!」
フランは竜牙の体を揺さぶり呼びかける。
しかし竜牙は目を覚まさない。
「竜牙…嘘でしょ…」
「大丈夫ですフランさん。まだ息はあります。」
鈴仙がそういうがフランの耳には届かない。
「…ゆる…さない…絶対」
「フランさん?」
「ころ…して…こわして…やる…」
誰の目にも明らかだった。フランは怒っている。
かつてないほどに。
「私…が…ころ…して…こわして…」
「その必要は無いわよ、フラン」
「!?」
驚き振り返る。そこには少女が立っていた。
そして、鈴仙が抱えていたはずの竜牙がいなかった。
鈴仙はその少女を呆然として見つめている
「ありがとうね、竜牙の為に。でも貴方が手を汚す必要は無いわ」
「…貴方、誰?」
「後で話すわ。それより下がってなさい。危ないわよ」
フランは大人しく下がる。フランの中には怒りはもう無くあるのは疑問だけだった。
「さて…博麗霊夢に霧雨魔理沙。悪いけど倒させて貰うわよ。竜牙を傷付けた貴方達を、許す訳にはいかないからね」 
少女は呟くと同時に跳ぶ。それに合わせ霊夢達も臨戦態勢に入る。
少女は霊夢に向かって行く。
霊夢が蹴りを放った。が、そこに少女は居らず
「こっちよ」
霊夢の体が飛んだ。
少女は続けざまに霊夢に拳を放つ。
その背後から魔理沙が弾幕を放つが
「無駄よ」
少女は全て避ける。そして
「凍符 フリーズエア」
少女がそう言った瞬間、あたりを凍えるような風が吹き付ける。
「寒っ!」
「あれは…スペルだよね」
風が止んだ。
そこには霊夢と魔理沙がいた。
少女は降り立ち、続けて
「凍符 フリーズフィールド」
そう言うと少女を中心に氷が地面を這っていき霊夢と魔理沙の足を凍てつかせる。
「!!」
それまで無表情だった二人にはじめて焦りが見える。
「今、楽にしてあげる」
少女はそう呟くと最後のスペルを使う。
「氷符 アイスブレイク」
少女の手から放たれ氷が霊夢と魔理沙の手前で爆発する。
「うわっ!」「きゃっ!」

フランと鈴仙が恐る恐る目を開ける。
そこには倒れている霊夢と魔理沙。
そして立っている少女がいた。
「ごめんなさい。大丈夫だった?」
少女が手を差し伸べる。
「う、うん」「なんとか」
二人は少女の手を借り立ち上がる。
「貴方…本当に何者なの?」
「…そうね。後で話すとは言ったけれどそこまで詳しく話せないのよ」
「…竜牙さん…なんですか?」
鈴仙が言うが少女は首を横に振る。
「竜牙では無いわ。体を借りてはいるけれど」
「…そうなんですか」
「彼なら無事だから大丈夫よ」
「ホント?良かった」
フランは安心する。
「悪いのだけどそこの二人と彼の事、頼めるかしら?そろそろ戻るから」
「最後に一つ教えて」
フランが言う
「何かしら?」
「名前、名前が聞きたい」
「…そうね、名前くらいなら。いいわ、教えてあげる。ただし」
「ただし?」
「竜牙には言わないで。今の会話も、私の事も」
「…わかった。鈴仙もいいよね?」
「はい」
「ありがとう。私の名前は零奈よ」
「零奈…」
「そう。それじゃあね、フラン、鈴仙。」
少女の体が僅かに光る。そして少女がいた場所には
「…フラン?鈴仙?」
竜牙が立っていた。
「竜牙!」「竜牙さん!」
「うおっと、な、何?」
「大丈夫?どこか痛くない?」
「あぁ、何とも無いが…」
「そう、よかった」
「何で霊夢達が倒れてんだ?」
「…霊夢達は私が倒したよ。」
「そうか。まぁひとまず帰ろう。霊夢達も運ばなきゃだしな」
「うん」「はい」
霊夢達を担ぎ竜牙達は永遠亭に向かった

〜???〜
「まさかあの二人がやられるなんてね。でも、それも予期していた事。そろそろ大詰めかしらね…うふふふふ」

to be continued


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