本連載は、今後のビジネスに必須とされる「データ分析」の第一歩を踏み出してもらうために、Excelを通じた「ピボットテーブル」をまずマスターすることを目的にする。Microsoft Excel 2013(以下、Excel)を使って、ピボットテーブルを実務で応用していくためのノウハウを紹介していく。
前回は、「月日別の売上件数を求める」「商品別売上の割合を求める」「売上金額の前月比を求める」「集計値の累計を求める」ための集計方法を紹介した。
今回は、「絞り込み集計機能」の作り方と「クロス集計」の基本、そして、現場でスマートに活用していくための「数秒でピボットテーブルを作る方法」を説明していく。
事前準備として、第4回「ピボットテーブルで、「さまざまな視点でのデータ分析」を簡単に実践する(応用編)」で用意した「テーブル型式に変換した売上一覧のリストデータ」を用意してほしい。テーブル型式への変換方法は、第2回「初めてでも今すぐ実践できる、ピボットテーブルの作り方」を参照してほしい。
まず「ピボットテーブルを削除」する方法を確認しておこう。
本連載では、ピボットテーブルを主に別のワークシートへ表示する方法で解説している。これを「削除」したいならば、単純にそのワークシートごと削除すれば解決だ。
ピボットテーブルはこの他に、リストデータと同じワークシート内にも配置できる(図1)。
この場合は、明示的に「ピボットテーブル部分を選択」して削除する。ピボットテーブル内の任意のセルにカーソルを合わせ、Excelメニューの「ピボットテーブルツール」→「分析」→「選択」→「ピボットテーブル全体」と選択すると、ピボットテーブル全体が選択された状態になる(図2)。
この状態にして、[Delete]キーなどで削除する。
複数の項目を交差させて集計すると、単なるリストでは分からなかった「新たな結果や傾向」が見えてくることがある。これを実現するのが「クロス集計」だ。
ピボットテーブルを使えば、クロス集計も簡単だ。身構えることはない。実は、これまで例として作成方法を解説してきた集計表で、既にクロス集計を実践してきている。
例えば、図3のピボットテーブルを見てほしい。「商品別」の売上と「担当者別」の売上をクロス集計したものだ。縦軸の「商品別」売上額と横軸の「担当者別」売上額、それぞれの総計額は同じになるはず。だから、縦軸と横軸それぞれが交わる場所にある「総計額」は1つのセルで表現してある。このようにして、1つ(または2つ)の項目を「縦軸」に、もう1つの項目を「横軸」に置いて表を作成し、比較するわけだ。
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