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南西防衛強化に一歩 海・空自との情報共有課題 与那国島に陸自部隊発足
陸上自衛隊が与那国島への沿岸監視隊の配備により南西防衛強化に大きな一歩を踏み出した。東シナ海での中国の脅威は拡大しており、安全保障関連法の施行とともに、沖縄県の離島で抑止力を高める意義は大きいといえる。宮古・石垣両島には陸自の実戦部隊を配備する計画があり、その足がかりにもなるが、課題も多い。
沿岸監視隊は対ロシア警戒で北海道に2つ配置しており、与那国島は3つ目。監視隊は国境近くに配置され、陸自幹部は「中国ににらみを利かせるため、与那国島に部隊を置くことは当然の措置だ」と指摘する。
監視隊は地上レーダーで数十キロ先までの主に海域を警戒し、レーダーが艦艇を探知すれば隊員が高性能双眼鏡で種別を確認する。与那国島の北方約150キロには尖閣諸島(同県石垣市)があり、中国公船の領海侵入が後を絶たず、それらが与那国島周辺に接近すれば探知できるようになる。