テロはいつ、どこで起きるのかわからない。起きては欲しくないけれども、自分だって遭遇するかもしれません。
3月22日にベルギーで起きたテロでは、空港と地下鉄が標的になり、34人が死亡、200人以上が負傷しました。
政治的・宗教的な場所ではなく、普通の人が行き来する日常の場での出来事です。
では万が一、テロに遭遇してしまったらどうすればいいのでしょう?
外務省邦人テロ対策室の田村賢周さんに話を聞きました。
1. そもそも:退避ルートを常に確認する習慣をつける
- 退避ルートを確認する。
- 隠れられる場所を確認する。
- 常に周囲の状況に注意を払い,不審者や不審物を見かけたら速やかにその場を離れる。
(外務省海外安全ホームページより)
「カフェではテラス席よりも、柱や壁など隠れられる場所がある席を選んだ方がいいでしょう。あと、音楽を大音量で聴いていると、周囲の状況に気づけないことがあるので注意喚起をしています」
2. 姿勢を低くして速やかに逃げる
「爆発の衝撃は”上”に行くため、姿勢を極力低くした方が安全です」
場合によっては、爆風で首が吹き飛んでしまうこともあるようです。
- その場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとる。
- 頑丈なものの陰に隠れる。
- 周囲を確認し,可能であれば,銃撃音等から離れるよう,速やかに,低い姿勢を保ちつつ安全なところに退避する。
(外務省海外安全ホームページより)
3. 爆破があった方向とは逆に頭を向ける
The Brussels Airport departure hall, before and after Tuesday's explosions https://t.co/0m4NoEjkDT
— The New York Times (@nytimes)
「首から上の傷を避けることが大事です。爆風によってとびちる破片が首に直撃し、致命傷を負う可能性があります。爆発があった方の反対側に頭を向けることを推奨しています」
4. 口をあける→鼓膜が破れないようにするため
ベルギー在住のさわぐり(@sawaguricph)さんが大使館より伝えられたというツイートにも記載がありましたが、耳をふさぎ、口を半開きにした方がいいそうです。
音の衝撃を体外に逃がし、鼓膜の破裂を避けます。
5. 携帯電話は電源を切った方がいいかも
銃撃戦などに巻き込まれた場合、通知音は命取りになります。
「メールや電話はいつ来るかわかりません。その音が犯人に届き、命を落とすこともあります。とはいえ、銃撃戦後に情報収集をしたり、安否確認で必要になることもあります。巻き込まれたときは、とりいそぎ電源を切っておく方がいいかもしれません」
6. 安否確認をすぐにできるようにしておく
海外に行く前に渡航登録サービスに登録しておきましょう。これに登録しておくと、テロに遭遇したときに、安否確認はもちろん、現地の大使館から周辺情報がメールで送られてきます。
・在留届
3カ月以上海外に滞在する場合は、日本大使館・総領事館に在留届を提出する義務があります。
これを提出すると、安否の確認、緊急連絡、救援活動、留守宅への連絡等が速やかに対応できるとのこと。
・たびレジ
3ヶ月未満の滞在の場合に使う在留届のようなシステム。任意で旅行日程・滞在先・連絡先を登録します。緊急事態発生時の連絡メールなどが届きます。