井上充昌、中村靖三郎
2016年3月23日13時03分
高齢者から将来の葬儀代などとして集めた預託金を流用した「日本ライフ協会」(東京都港区)の事業が、今月いっぱいで停止されることになった。事業を引き継ぐ予定だった一般社団法人「えにしの会」(福岡市)が一転して契約を辞退したため。他に支援先はなく、サービス継続を望む会員は自分で新たな事業者を探す必要がある。
ライフ協会は民事再生の手続き中で、えにしの会とは3日に事業譲渡の契約を締結。管財人の森恵一弁護士によると、えにしの会側から14日に「資金調達の見通しがたたない」として契約解除の通知があったという。えにしの会の撤退で事業は継続できなくなり、今後は破産手続きに移る。18日には内閣府から公益認定を取り消された。
管財人がライフ協会の会員約2600人に送った文書によると、えにしの会が新規会員を獲得して収益を上げるまで数カ月間かかるとし、その間の運転資金を準備できなかったという。えにしの会は会員向けの謝罪文で「このまま事業譲渡を実行しても、近い将来破綻(はたん)することは明らか」と説明している。
ライフ協会の事業には施設に入居する際の身元保証も含まれる。会員から「施設から退去せざるを得なくなる」という趣旨の相談も寄せられているといい、森弁護士は「誠に遺憾で、えにしの会の責任を追及したい。会員から不安の声が届いており、できるだけのことはしたい」と話している。会員には高齢者支援を手がける約70社・団体のリストを同封したという。(井上充昌、中村靖三郎)
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朝日新聞社会部
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