福島第一原発 汚染雨水流出防止の排水路 工事完了

東京電力福島第一原子力発電所で、汚染された雨水が外洋に直接流れ出さないように進められていた排水路の改修工事が、28日に完了しました。
福島第一原発では、去年2月、比較的高い濃度の放射性物質を含んだ雨水が、雨のたびに排水路を通って原発の港湾の外の海に直接流れ出していたことが明らかになり、事態を把握していながら公表していなかった東京電力の姿勢を巡って、地元の漁業関係者などから強い批判の声が上がりました。
このため東京電力は、問題の排水路の下流の部分を塞いだうえで、港湾内につながる別の排水路に雨水が流れるようルートを分岐させる工事を進めた結果、28日、すべての工事が完了して、問題の排水路の分岐点より下流側が閉鎖されました。東京電力は、汚染された雨水が直接この排水路を通って外洋に流出するおそれはなくなったとしています。
問題の排水路を巡っては、下流の部分を塞いだあとも、大雨などの際にせき止められた雨水があふれて、たびたび海に流れ出していて、どこから放射性物質が流れ込んでいるのかを調べたり、排水路を清掃したりする作業が進められていました。
東京電力は「さらに排水路の浄化を進め、水質の改善に引き続き取り組んでいきたい」としています。