75才女子の呟き。「町内会が身体と脳みそに堪える…。」
とある75才の女子。
彼女はノートの前で固まっている。
隣には83才の男子。
彼もまたノートの前で頭を抱えている。
目の前に繰り広げられるコメ粒のような文字と数字の羅列。
その名は『町内会の金銭出納帳』。
年度末。
次の組長さんに渡さねばならない。
だがである。
これがさっぱり出来上がらない。
あの、コメ粒のような文字の記入欄にはみ出さずに書き込むことは、高齢者にとって、なんという苦行であろうか?
白内障やら緑内障やら老眼やら手の震えやらを抱えながらの『金銭出納帳』との闘いは、どうやらかなり厳しかったようだ。
二人はがんばった。
ものすごーくがんばった。
そして、白旗を上げた。
で、これまであまり役に立った記憶のない子供(ワタシのコト)に助けを借りてみることにした。
なんと、なんとかなったではないか!(ワタシ、はじめて役に立ったのでは?)
ギリギリだが。
老体に鞭打った二人はしばらく寝込みそうだ。
どうやら、二人して、三日ほど頭を抱えてたらしい。
まあ、ゆっくり休んで下さいな。
ところであらためて、自分が75才になったら、町内会等は本当に大変そうだなとしみじみ感じた。
体力的に、脳みそ的に大変難儀しそうである。
75才女子は小さく呟いた。「町内会のないところに引っ越したい…。」と。
その気持ち、よくわかります。
さすがに、老人ホームには町内会ないですよね!?