保護の女子生徒「さがさないでのメモは男に書かされた」
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2年前に行方不明になった、埼玉県朝霞市の女子中学生が東京都内で保護された事件で、不明になった当日、自宅の郵便受けに入っていた「さがさないでください」と書かれたメモについて、女子中学生が「男に書かされた」と話していることが分かりました。警察は身柄を確保した23歳の男が家出のように装った疑いがあるとみて調べています。
おととし3月、埼玉県朝霞市で行方が分からなくなった、当時中学1年の女子生徒は27日、東京・中野区のJR東中野駅の公衆電話から警察に「助けてほしい」と通報し、2年ぶりに保護されました。
女子中学生が逃げ出したマンションの部屋は、東中野駅から300メートルほどのところにあり、この部屋からは女子中学生の学校の制服やジャージーが見つかったということです。
警察はこの部屋に住む、寺内樺風容疑者(23)を未成年者誘拐の疑いで指名手配し、28日未明、静岡県伊東市の山あいで身柄を確保しました。寺内容疑者は首から血を流し、「カッターで切って自殺しようとした」と話しているということで、警察は回復を待って逮捕する方針です。
警察の調べによりますと、寺内容疑者はおととし3月、朝霞市で女子中学生に「両親が離婚する。弁護士が保護してくれる」などと、うその話を持ちかけて車に乗せたとみられ、この日、自宅の郵便受けには「家も学校もちょっと休みたいです。しばらく友達の家です。さがさないでください」などと書かれたメモが入っていました。
このメモについて女子中学生が、「寺内容疑者から『しばらく学校にも行けない。両親が心配するから』などと言われてメモを書かされた」と話していることが捜査関係者への取材で分かりました。さらに、女子中学生は寺内容疑者から「行き先を教えたくない」などと言われ、目隠しをされて寺内容疑者が当時住んでいた千葉市のマンションまで連れ去られたとみられています。
警察は寺内容疑者が家出のように装って女子中学生を連れ去った疑いがあるとみて、詳しいいきさつを調べています。
女子中学生が逃げ出したマンションの部屋は、東中野駅から300メートルほどのところにあり、この部屋からは女子中学生の学校の制服やジャージーが見つかったということです。
警察はこの部屋に住む、寺内樺風容疑者(23)を未成年者誘拐の疑いで指名手配し、28日未明、静岡県伊東市の山あいで身柄を確保しました。寺内容疑者は首から血を流し、「カッターで切って自殺しようとした」と話しているということで、警察は回復を待って逮捕する方針です。
警察の調べによりますと、寺内容疑者はおととし3月、朝霞市で女子中学生に「両親が離婚する。弁護士が保護してくれる」などと、うその話を持ちかけて車に乗せたとみられ、この日、自宅の郵便受けには「家も学校もちょっと休みたいです。しばらく友達の家です。さがさないでください」などと書かれたメモが入っていました。
このメモについて女子中学生が、「寺内容疑者から『しばらく学校にも行けない。両親が心配するから』などと言われてメモを書かされた」と話していることが捜査関係者への取材で分かりました。さらに、女子中学生は寺内容疑者から「行き先を教えたくない」などと言われ、目隠しをされて寺内容疑者が当時住んでいた千葉市のマンションまで連れ去られたとみられています。
警察は寺内容疑者が家出のように装って女子中学生を連れ去った疑いがあるとみて、詳しいいきさつを調べています。
寺内容疑者を発見した男性 当時の状況語る
寺内容疑者を最初に発見した、静岡県伊東市の新聞店の42歳の配達員の男性が28日夕方、取材に応じ、発見した当時の状況について語りました。
配達員の男性は発見当時の状況について、「バイクで配達中に道路の左脇に人影が見えた。手を上げていて、はじめはヒッチハイクかと思った。だんだん近づいてライトで照らしたら、全身が血だらけだった」と話しました。そして、バイクを止めて「車でひかれたのか」と聞いたところ、寺内容疑者は「警察呼んでください」と答えたうえで、「死のうと思ったけど死に切れませんでした」と話したということです。
男性は携帯電話で伊東警察署に直接、連絡するとともに年齢や名前を聞いたところ、寺内容疑者は「23歳で東京から来ました。名前は寺内です」と話したということです。
寺内容疑者の様子について男性は、「黒縁のメガネをかけて黒いジャンパーのようなものを着ていた。首の辺りが切れていて、顔も血だらけで、手も軍手のようなものをはめていたが血だらけだった。血が首からぽとぽと流れていて、よく立っているなという感じだった。ぼそぼそとしたしゃべりで、下の名前は聞き取りにくかったが答えていた。とにかく衰弱しきっていた」と話しました。さらに、駆けつけた警察官が寺内容疑者のポケットを探り、カッターの刃物のようなものを取り出していたのが見えたということです。
男性は「事件についてはニュースや新聞で知っていたが、まさかなと思った。事件の大きさに驚いている。まさか声をかけた人が容疑者とは思わなかった」と話していました。
配達員の男性は発見当時の状況について、「バイクで配達中に道路の左脇に人影が見えた。手を上げていて、はじめはヒッチハイクかと思った。だんだん近づいてライトで照らしたら、全身が血だらけだった」と話しました。そして、バイクを止めて「車でひかれたのか」と聞いたところ、寺内容疑者は「警察呼んでください」と答えたうえで、「死のうと思ったけど死に切れませんでした」と話したということです。
男性は携帯電話で伊東警察署に直接、連絡するとともに年齢や名前を聞いたところ、寺内容疑者は「23歳で東京から来ました。名前は寺内です」と話したということです。
寺内容疑者の様子について男性は、「黒縁のメガネをかけて黒いジャンパーのようなものを着ていた。首の辺りが切れていて、顔も血だらけで、手も軍手のようなものをはめていたが血だらけだった。血が首からぽとぽと流れていて、よく立っているなという感じだった。ぼそぼそとしたしゃべりで、下の名前は聞き取りにくかったが答えていた。とにかく衰弱しきっていた」と話しました。さらに、駆けつけた警察官が寺内容疑者のポケットを探り、カッターの刃物のようなものを取り出していたのが見えたということです。
男性は「事件についてはニュースや新聞で知っていたが、まさかなと思った。事件の大きさに驚いている。まさか声をかけた人が容疑者とは思わなかった」と話していました。
寺内容疑者とは
寺内樺風容疑者(23)は大学に入学する前、大阪・池田市の実家で両親と妹の一家4人で暮らしていました。実家の大家の男性は、「寺内容疑者は10年以上前に一家で引っ越してきた。顔を合わせればお互いにあいさつをしていて、おとなしいが賢そうな印象だった」と話していました。
また、小学校時代の寺内容疑者を知る町会長の男性は、「成績はよく、会えばきちんとあいさつができる子だった。周りを引っ張っていくタイプではないが、高学年のときには行事で低学年の子たちの面倒をみていた」と話しています。
その後、寺内容疑者は市内にある大阪教育大学附属池田中学と高校に進学しました。中学時代の同級生によりますと、寺内容疑者はクラスの中心的な存在ではなかったということですが、勉強はできる方だったということです。
中学の卒業アルバムには修学旅行で訪れた沖縄県で寺内容疑者がクラスメートと一緒に笑顔でピースサインをしている写真が載せられています。また、沖縄戦に関心を持ち、卒業の際に制作した卒業論文集の中では「沖縄戦の記憶」というタイトルで、戦争を知らない若い世代にどのように伝えていくべきか2ページにわたって、みずからの考えをつづっています。
寺内容疑者はみずから調べた沖縄戦の概要などを記したうえで、「様々な点から沖縄戦を見つめ、どうして非常に多くの犠牲を防ぐことができなかったのかを語ることも、人々が沖縄戦を考えるためには必要ではないだろうか。『沖縄戦は悲惨であった。戦争はいけないものだ』で終わってしまうのではなく、そこからもっと深く沖縄戦を考えさせる必要があると思う」などとつづっていました。
そして5年前に千葉市にある千葉大学工学部情報画像学科に入学しました。大学の関係者によりますと、4年生の1年間はコンピューターやソフトウエアなどに関する研究室に所属していたということです。週に1回のゼミにはほとんど休まずに来ていたということですが、それ以外ではあまり研究室に来ることはなく、大学の関係者は「話をするかぎりでは普通の学生だったと思う」と話しています。今月15日に最後のゼミを終え、23日には卒業式に出席していました。大学時代は千葉市稲毛区のマンションで暮らしていたとみられています。
また、大学の関係者によりますと、寺内容疑者は来月からは東京・新宿区にある消防設備関係の会社で働くことが決まっていて、先月、東京・中野区のマンションに引っ越したということです。寺内容疑者は去年の秋ごろから最近まで、この会社でアルバイトをしていたということで、社長は「返事をしっかりとするなど真面目な印象だった」と話しています。
また、寺内容疑者は航空関係に興味があったとみられ、大学では「パイロット」というあだ名で呼ばれていたということです。
アメリカにあるパイロットの養成学校のホームページには、寺内容疑者が平成25年9月に小型機の操縦免許を取得したと記載されています。寺内容疑者のフェイスブックには、平成25年7月に小型のプロペラ機の前に立っている写真が、同じ年の9月には操縦席に乗った写真がそれぞれ掲載されています。
大学で同じ授業を受けていたという学生は、「飛行機の免許を持っているということで学内では知られた存在だった」と話していました。
また、小学校時代の寺内容疑者を知る町会長の男性は、「成績はよく、会えばきちんとあいさつができる子だった。周りを引っ張っていくタイプではないが、高学年のときには行事で低学年の子たちの面倒をみていた」と話しています。
その後、寺内容疑者は市内にある大阪教育大学附属池田中学と高校に進学しました。中学時代の同級生によりますと、寺内容疑者はクラスの中心的な存在ではなかったということですが、勉強はできる方だったということです。
中学の卒業アルバムには修学旅行で訪れた沖縄県で寺内容疑者がクラスメートと一緒に笑顔でピースサインをしている写真が載せられています。また、沖縄戦に関心を持ち、卒業の際に制作した卒業論文集の中では「沖縄戦の記憶」というタイトルで、戦争を知らない若い世代にどのように伝えていくべきか2ページにわたって、みずからの考えをつづっています。
寺内容疑者はみずから調べた沖縄戦の概要などを記したうえで、「様々な点から沖縄戦を見つめ、どうして非常に多くの犠牲を防ぐことができなかったのかを語ることも、人々が沖縄戦を考えるためには必要ではないだろうか。『沖縄戦は悲惨であった。戦争はいけないものだ』で終わってしまうのではなく、そこからもっと深く沖縄戦を考えさせる必要があると思う」などとつづっていました。
そして5年前に千葉市にある千葉大学工学部情報画像学科に入学しました。大学の関係者によりますと、4年生の1年間はコンピューターやソフトウエアなどに関する研究室に所属していたということです。週に1回のゼミにはほとんど休まずに来ていたということですが、それ以外ではあまり研究室に来ることはなく、大学の関係者は「話をするかぎりでは普通の学生だったと思う」と話しています。今月15日に最後のゼミを終え、23日には卒業式に出席していました。大学時代は千葉市稲毛区のマンションで暮らしていたとみられています。
また、大学の関係者によりますと、寺内容疑者は来月からは東京・新宿区にある消防設備関係の会社で働くことが決まっていて、先月、東京・中野区のマンションに引っ越したということです。寺内容疑者は去年の秋ごろから最近まで、この会社でアルバイトをしていたということで、社長は「返事をしっかりとするなど真面目な印象だった」と話しています。
また、寺内容疑者は航空関係に興味があったとみられ、大学では「パイロット」というあだ名で呼ばれていたということです。
アメリカにあるパイロットの養成学校のホームページには、寺内容疑者が平成25年9月に小型機の操縦免許を取得したと記載されています。寺内容疑者のフェイスブックには、平成25年7月に小型のプロペラ機の前に立っている写真が、同じ年の9月には操縦席に乗った写真がそれぞれ掲載されています。
大学で同じ授業を受けていたという学生は、「飛行機の免許を持っているということで学内では知られた存在だった」と話していました。
住んでいたとみられる千葉のマンションは
寺内容疑者が東中野に引っ越すまで女子中学生とともにいたとみられるマンションは、千葉市稲毛区の千葉大学西千葉キャンパスのすぐ近くにあります。
3階建てで、1階は店舗スペースで、2階と3階に住居部分があります。寺内容疑者が住んでいたとみられる部屋は3階の角部屋です。
マンションの管理会社などによりますと、和室と洋室の合わせて2部屋にキッチンやトイレなどがついた「2K」で、およそ40平方メートル、同じ階のほかの部屋よりやや広いということです。
建物は昭和60年に建てられ、部屋の壁に防音対策などは特段施されていないということです。これまでに寺内容疑者を巡るトラブルなどの情報はなかったということです。
このマンションに去年12月ごろから住んでいるという60代の男性は、寺内容疑者について「あいさつをすれば返してくれる、はつらつとした今どきの若者だった。女の子を見たことは一度もない。特に変わった様子もなく、事件の容疑者と聞いて驚いている」と話していました。
また、21歳の大学生は、「男の人が住んでいたことは足音で分かっていたが、2人で住んでいる様子はなかったし、女の子の声なども聞こえたことはなかった。もし声が聞こえたら通報できたかしれない。気がつかなくて申し訳ない思いです」と話していました。
3階建てで、1階は店舗スペースで、2階と3階に住居部分があります。寺内容疑者が住んでいたとみられる部屋は3階の角部屋です。
マンションの管理会社などによりますと、和室と洋室の合わせて2部屋にキッチンやトイレなどがついた「2K」で、およそ40平方メートル、同じ階のほかの部屋よりやや広いということです。
建物は昭和60年に建てられ、部屋の壁に防音対策などは特段施されていないということです。これまでに寺内容疑者を巡るトラブルなどの情報はなかったということです。
このマンションに去年12月ごろから住んでいるという60代の男性は、寺内容疑者について「あいさつをすれば返してくれる、はつらつとした今どきの若者だった。女の子を見たことは一度もない。特に変わった様子もなく、事件の容疑者と聞いて驚いている」と話していました。
また、21歳の大学生は、「男の人が住んでいたことは足音で分かっていたが、2人で住んでいる様子はなかったし、女の子の声なども聞こえたことはなかった。もし声が聞こえたら通報できたかしれない。気がつかなくて申し訳ない思いです」と話していました。
千葉大学「問題あるように見えなかった」
千葉大学によりますと、寺内容疑者は大阪府出身で平成23年に入学し、2年生だった翌年の10月から1年間休学し、大学にはカナダに語学研修に行くという届け出をしていました。そして今月23日、工学部情報画像学科を卒業したということです。
千葉大学の渡邉誠理事は、「被害者やご家族にご迷惑をおかけして大学としておわび申し上げる」と述べました。
また、在学しているときの様子について関実工学部長は、「無断欠席することもなく、礼儀も正しい学生だった。ほかの学生とも普通に話をしていて、特に問題があるように見えなかったと聞いている」と話しました。
千葉大学の渡邉誠理事は、「被害者やご家族にご迷惑をおかけして大学としておわび申し上げる」と述べました。
また、在学しているときの様子について関実工学部長は、「無断欠席することもなく、礼儀も正しい学生だった。ほかの学生とも普通に話をしていて、特に問題があるように見えなかったと聞いている」と話しました。