蹴球探訪
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(3月16日)
【大相撲】白鵬36度目Vで涙の謝罪 大一番ありえない…変化で勝利2016年3月28日 紙面から
◇春場所<千秋楽>(26日・エディオン アリーナ大阪) これも、荒れる春場所…。横綱白鵬(31)=宮城野=が横綱日馬富士を突き落とし、14勝1敗で4場所ぶり36度目の優勝。自身の持つ史上最多優勝記録をさらに更新したが、立ち合いで変化したことに、場内はヤジとブーイングの嵐に。白鵬は涙を浮かべながら謝罪するという、晴れやかな舞台とは思えない光景が広がった。1差で追っていた大関同士の対決は稀勢の里(29)=田子ノ浦=が豪栄道を寄り切り、13勝目。来場所の綱とりに望みをつないだ。1横綱2大関を破って12勝の平幕琴勇輝(24)=佐渡ケ嶽=が初の殊勲賞を獲得した。 ◆祝福と怒りの声土俵下での優勝インタビューが始まると、会場は地鳴りのようなブーイングに包まれた。容赦ないやじも飛ぶ。「恥を知れ!」「金返せ!」「変化して勝ってうれしいんか!」「アホ!」。会場が騒然となる異常事態に発展。白鵬は涙を浮かべて謝罪した。 「ああいう変化で決まるとは思わなかった。ほんとに申し訳ないと思います」 声を震わせながら頭を下げた。アナウンサーが「温かい拍手と厳しい声もあるが」と問いかけると、たまらず目頭を押さえた。 勝てば優勝の千秋楽結びの一番。白鵬はすっと伸ばした右手で日馬富士の視界を遮り、左へ変化して突き落とし。初場所の栃煌山戦と同じ戦法を使った、なんともあっけない幕切れ。熱戦を期待したファンの気持ちも分かる。 白鵬にしてみればどうしても賜杯がほしかったのだろう。「長かった感じがします」。3場所も優勝から離れたのは横綱昇進後、2012年夏場所から秋場所以来、2度目。昨年秋場所は膝の負傷で横綱昇進後初の休場も経験。 「8カ月の長い間、優勝から遠ざかってましたんで。いろいろ込み上げてくるものがあったのでね。それの重なり重なりです。けがもあったし、やっとおやじに並んだという」と思いを吐き出した。 ◆偉大な父に並ぶ父・ムンフバトさんは年に1回のモンゴル相撲で6回の優勝を誇る大横綱。白鵬は年に6場所ある大相撲と比較して、36回の優勝をひとつの目標にもしてきた。 初日に宝富士に敗れ黒星発進。8日目の嘉風戦ではダメ押しをして土俵下の井筒審判部副部長が骨折した。そして、最後に立ち合いの変化。なんにしても白鵬が主役の場所だった。 初日黒星から14連勝での優勝は07年名古屋場所の朝青龍以来だが、白鵬は初。2日目からいい流れできていただけに最後の立ち合い変化は残念だが、「千秋楽に崩れたと思う部分もあるけど、ホッとしてます」と正直に話す。表彰式を終えた白鵬は落ち着きを取り戻し、次の目標は「目指せ1000勝ですね」と宣言。現在972勝。史上3人目の1000勝は早ければ名古屋場所にも達成できる。 (岸本隆) PR情報
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