果物には果糖(フルクトース)、ショ糖(スクロース)、ブドウ糖(グルコース)などの糖質が含まれていますが、果糖の血糖値を上げる力はブドウ糖の5分の1ほどです。
この血糖値を上げる力はGI値で比較することができます。
GI値については「血糖値を上げやすい高GI食品とは」で説明しましたが、簡単に説明すると「炭水化物が血糖値を上げる力を数値化したもの」です。
果糖のGI値は23、ショ糖は68、ブドウ糖は100。
GI値は70以上が高GI(血糖値を上げやすい)で、55以下が低GI(血糖値を上げにくい)ですので、ショ糖とブドウ糖が高GI、果糖は低GIです。
では果物のGI値はどうなのか。
例えばリンゴのGI値は36ですが、含まれている糖分の中の約50%が果糖、約25%がショ糖、約16%がブドウ糖です。
このパーセンテージは果物によって違いますが、果糖以外の糖質がGI値を上げていると考えてください(果糖は数パーセントしか血糖値上昇に関わっていない)。
苺のGI値は29
オレンジのGI値は31
グレープフルーツのGI値は31
梨のGI値は32
みかんのGI値は33
ブルーベリー のGI値は34
中にはパイナップルのようにGI値が65と高い果物もありますが、8割以上の果物がGI値50以内に収まっています。
ですので、糖質制限では一部の果物を除けば「血糖値だけを考えれば」食べても大丈夫です。
「血糖値だけを考えれば」と前置きしましたが、逆に「ダイエットを考えれば」食べない方がいいです。
その理由を説明します。
通常は血糖値が上がらないと中性脂肪は付きにくくなるのですが、果糖だけは例外です(通常は「血糖値が上昇」→「インスリンが分泌」→「余った糖を中性脂肪として蓄える」という順序で太っていくことは「炭水化物はなぜ太るか」で説明しました)。
果糖の場合は血糖値は上がりにくいけど中性脂肪がついてしまうのです。
ブドウ糖の場合にはインスリンの作用で細胞がブドウ糖を取り込みますが、果糖の場合はインスリンの影響をほとんど受けず、肝臓にそのまま90%ほど届きます(ブドウ糖は20%程度肝臓に届く。その他の80%は脳や臓器などのエネルギーで消費される)。
肝臓に入った果糖は脂肪酸に変えられ、それが最終的に中性脂肪に合成されます。
果物を食べないと摂れない栄養素はありませんので、無理して食べなくてもいいというのが私の考えです。
[食べてはいけないフルーツ]
パイナップル
バナナ
みかん(缶詰)
さくらんぼ(缶詰)
パイナップル(缶詰)
ドライフルーツ
[補足]
果糖は最終糖化産物を生じやすくなりますので注意してください。
最終糖化産物はタンパク質が糖化してしまうことで発生する物質ですが、これが血管を傷つけて動脈硬化の原因になります。
こういう理由からも私は果物を好んで食べるのは反対です。
[参考記事]
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