【ワシントン=共同】日本のエックス線天文衛星「ひとみ」の通信が途絶えた問題で、米戦略軍統合宇宙運用センターは27日、衛星の軌道近くに5個の物体があるのを確認したと、短文投稿サイトのツイッターで発表した。同センターは衛星が分解して出た破片とみている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、これらの物体と「衛星の通信異常との因果関係について確認中」と発表した。同センターが破片とみられる物体を確認した後に、短時間だが衛星からの電波を受信できているため、何らかの原因で衛星の一部が破損した可能性がある。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクドウェル博士は「ひとみがばらばらになったのか、破片が飛び出ただけかは分からない」としている。
ひとみはブラックホールなどの観測を目指しJAXAが2月にH2Aロケットで打ち上げた。26日午後から通信が途絶え、状態が確認できなくなり、通信の復旧を目指している。ひとみは高度約580キロの軌道を周回している。