五輪後「新国立」は廃墟に…建築家・伊東豊雄氏が懸念語る
まさに仏作って魂入れず。新国立競技場の建設計画は再び撤回し、「B案」を採用すべきだ。3年前に建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」に輝いた日本を代表する名建築家・伊藤豊雄氏が憂える現計画の重大欠陥とは――。
■新たな挑戦はすべて「心配のタネ」に
――オリンピックのメーン会場となる施設なのに、聖火台の置き場所を想定していなかったとは、あり得ませんよね。
昨年8月に事業主体のJSCが応募要項を発表した直後に質疑応答がありました。「聖火台は必要ですか」と。返事は「新しい聖火台工事は本事業の対象外」。開会式の演出に左右される面はあるでしょうが、オリンピックには不可欠なもの。スタジアムの中で聖火がともることは想定しておかなければいけません。
――設計を担当する建築家の隈研吾さんも、いくらでも、どうにでもなるという態度です。聖火を軽んじていませんか。