告発窃盗、捜査終了 容疑者不詳で書類送検
理研OB告発問題 兵庫県警が神戸地検に
STAP細胞論文を巡り、理化学研究所の研究室からES細胞(胚性幹細胞)が盗まれたとして理研OBが告発していた問題で、兵庫県警は28日、容疑者不詳で神戸地検に書類送検し、捜査を終えた。
昨年1月、OBの男性(61)が容疑者を特定せず、窃盗容疑で県警に告発状を提出。神戸市中央区の理研発生・再生科学総合研究センター(当時)にあった研究室から、何者かがES細胞を盗み出したという内容だった。
県警は同5月に告発を受理し、小保方晴子・元理研研究員(32)らから任意で事情を聴くなどして捜査を進めていた。
論文は2014年7月に撤回され、理研の調査委員会は同12月、「STAP細胞はES細胞が混入したもの」とする最終調査報告書を発表していた。
小保方元研究員の代理人の三木秀夫弁護士は「このES細胞と、STAP細胞問題は直接関係がなく、関連づけられること自体が間違っていると考えていたので、(書類送検して捜査終了は)当然だと思う」と話した。小保方元研究員にも結果を伝えたというが、本人の反応については「公表を控えたい」とした。【矢澤秀範、畠山哲郎】