2016年03月27日

◆ 北海道新幹線を建設中止せよ

 北海道新幹線は巨額の浪費だ。だから、今後の分は建設中止にするべきだ。かわりに、「札幌 − 新千歳」で新幹線を建設すればいい。

 ──

 北海道新幹線は巨額の浪費だ。総額では2兆円を突破するが、幸いなことに、その大半は今後の建設分だ。
 北海道新幹線は、1973年に整備計画が決定され、今回の開業区間は2005年に着工し、総工事費は5500億円(試算)。30年度末までにはさらに1兆6700億円(同)かけて札幌市への延伸も予定されている。
( → WSJ
 北海道新幹線(新青森−新函館北斗間、約149キロ)の現時点の総事業費は5508億円に上る。現在の事業費は2013年に国が認可した。だが建設主体の鉄道・運輸機構が震災による物価や人件費の上昇、消費税増税分などを考慮して改めて計算すると、5800億円程度となった。
 30年度末の開業を目指す新函館北斗−札幌間(約211キロ)には北陸新幹線並みの約1兆6700億円が必要。
( → フジサンケイビジネスアイ

 すでに出した分は、5800億円で、今後の分が1兆6700億円。だとしたら、今後の分は建設中止にした方がいい。
 「そんなふうに途中でやめたら、これまで出した分が無駄になる」
 と心配する人もいそうだが、たとえ無駄になったとしても、5800億円で済む。今後の 1兆6700億円の方がはるかに巨額だ。そっちの無駄の方が大きい。
 そもそも、今回は「開業した! 便利になった!」と大騒ぎしているんだから、別に、無駄になったわけではない。青函トンネルが新幹線で通れるようになったというだけで、喜んでいればいいだろう。
 とにかく、すでに建設した分は仕方ないが、今後の無駄は中止するべきだ。今からでも間に合う。
( ※ その分を保育所対策にでも使えば、少子化が止まって、亡国状態が止まる。)

 ──

 さて。一方で、建設した方がよさそうな路線もある。それは、「札幌−新千歳」の間だ。この区間は、現在は1時間ちょっとの鉄道だ。ここに、新幹線を建設した方がよさそうだ。理由は二つ。
  ・ この区間は、距離と時間がかかりすぎる。
  ・ 特別料金の高価格でも乗ってもらえるので、採算性がいい。






 現状では、空港と札幌との距離がありすぎる。利便性が良くない。ここに新幹線を作れば、需要はたっぷりとありそうだ。年間 1000万人にもなる「羽田−新千歳」の乗客の大半が新幹線を使いそうだし、さらに、羽田以外(関空など)からの乗客も新幹線を使いそうだ。需要はたっぷりとある。

 また、採算性もよさそうだ。というのは、料金を高額に設定できそうだからだ。航空機に乗る人なら、かなり金を払ってもらえるだろう。
( ※ 実際には航空機の方が新幹線よりも料金は安いのだが、「航空機は高額のもの」という俗信がある。また、航空機にはエコノミークラス以外の乗客も多いから、高額の負担も可能な人が多いだろう。)


 ひるがえって、「新函館北斗−札幌」間は、こんな路線の鉄道に乗る人は少ないと思える。たぶん、「東京−札幌」間は、新幹線で、5時間、3万円となるだろう。「羽田−新千歳」が 8500 円であるのと比べると、競争にならない。「東京−札幌」間の新幹線なんて、まったく意味がない。ただの無駄だ。

 ──

 結論。

 新幹線については、
  ・ 「新函館北斗−札幌」間(211km)を建設中止にせよ。
  ・ 「新千歳−札幌」間(52km)を建設せよ。

 というふうに主張しておこう。



 [ 付記 ]
 具体的な路線は? これは、鉄道マニアの大好きな新線建設の話題。私の提案は、こうだ。
 「新千歳から、千歳線の東側の田んぼの地域を走って、新札幌まで新線建設する。ここまでの路線が高速鉄道。一方、新札幌から先は、在来線に入って、在来線を特急として走る。こうして特急の状態で札幌などの各駅に達する」
 「それにともなって、千歳線は、狭軌から標準軌に改造する。札幌の都市部は、新線建設のかわりに、在来線を標準軌に改造する」
 これで、コストは最小限で済むだろう。(都市部で地下鉄建設なんかをしないで済む。) 

 なお、「札幌−新札幌」間は、特急で8分間(運賃260円・指定料別)だ。この区間を新路線にして、新幹線を走らせても、たいして意味はない。つまり、この区間の分を新幹線にしても、時間短縮効果はほとんどない。(8分間が4分間に縮まっても、たったの4分しか縮まらない。)だから、この部分は、速度の低い特急状態でも構わないだろう。つまり、新線建設は不要であり、在来線の線路を利用すれば十分だ。(標準軌に改造するだけでいい。)

    •  《 以下、不要 》
       新千歳から延びて、新札幌で止まっても、それで十分だろう。新札幌に届けば、そこからは地下鉄が出ているから、そこで地下鉄に乗り換えてもらえばいい。というわけで、上の提案の「標準軌に改造」は不要だ。前半の「新千歳−新札幌」だけあれば十分だ。
       ……と思ったのだが、これは早とちりだった。この案だと、乗り換え回数が1回増えるので、新札幌から先の札幌市内では、利便性が下がる。在来線との競争で、勝てそうにない。利便性では同程度で、料金が高いのでは、勝てない。となると、やはり、「標準軌に改造」が必要となりそうだ。





 【 関連サイト 】
 建設着工前に書かれた批判文がある。
 建設事業費である1兆6700億円だけで、北海道開発予算の3〜4年分にあたる。 24年間で、1兆6700億円使うとなれば、毎年約696億円つぎ込む計算だ。新幹線の営業主体であるJR北海道(予定)の毎年の赤字額は300億円を超えている。
( → 大手ゼネコン大儲け 北海道新幹線着工へ
posted by 管理人 at 09:56 | Comment(3) | 一般(雑学)4 このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
札幌〜新千歳空港まで、快速電車で36分程度。
東京〜成田空港に比べたら可愛いものですね。
費用対効果を考えれば札幌〜新千歳空港間も
新幹線を作る効果はあまり無いと思いますけどね。
それより現行15分に1本の空港アクセス電車を
10分に1本程度に増発したほうが良いと思います
けどね。札幌〜新千歳空港間の電車は結構混みますし。
Posted by 9977 at 2016年03月28日 02:38
それなら、今の京成スカイアクセス線と北総線をJR東日本が買い取り、東京〜成田空港間に新幹線規格の電車を走らせればよいでしょうね。一応標準軌だし、その気になれば時速200キロ位は出せそうですし。
Posted by 9977 at 2016年03月28日 02:59
まあ別にJR東日本に売却しなくても京成電鉄版の新幹線でも良いか。
今のスカイライナーを更にスピードアップする形で。
Posted by 9977 at 2016年03月28日 03:03
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