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 違憲とする指摘が根強く残るなか、29日に施行される安全保障関連法。「これからも問い続けていく」。施行が迫る27日、各地の街頭で声が上がった。

 東京・渋谷では、若者たちが繁華街を練り歩いた。掲げた横断幕には「戦争には行かない! 主権者は私たち」。首都圏の「平和な未来をつむぐ高校生の会」が法施行を前に企画し、約300人(主催者発表)が参加した。

 関西を拠点にする高校生団体「T―ns(ティーンズ) SOWL(ソウル) west(ウェスト)」も協力し、メンバーのユイさん(18)は「政治に『無関心』でいられても、『無関係』ではいられない」。知人に誘われて初めてデモに加わった女子高校生(18)は「安倍政権がやりたい放題しているのは私も感じる。止めなければ」と話していた。

 大阪市では、中之島の市中央公会堂で「廃止しよう! 戦争法 とめよう! 辺野古新基地建設 関西集会」があった。約1千人分の席が埋まり、立ち見も出る中、沖縄県名護市の稲嶺進市長が「辺野古もそうだが、安保法に反対と言うだけでなく、廃止に追い込むことが重要」と述べた。

 集会のあとには抗議行進も。参加した会社員の女性(44)の自宅は複数の自衛隊の拠点がある兵庫県伊丹市内。女性は「『夫を戦場に送り出すことになるかもしれない』と心配する奥さんもいます」と語った。

 和歌山城(和歌山市)の周辺でも、大学教員や弁護士らによる集会やデモがあった。集会で登壇した服部涼平さん(22)=和歌山大3年=は「自衛隊員が死んだり殺したりすることが普通のニュースになる日本は見たくない。流されず、もう一度この法整備の影響を考えよう」と呼びかけた。