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サブカル 語る。

サブカルチャーのどマイナーな話題などについて語る日記

仮面ライダー制作の歴史はプロジェクトX級にアツい

こんにちは。

 

昨日から映画館で70歳になった本郷猛の活躍が見られる

仮面ライダー1号」。

 

arrow1953.hatenablog.com

 

僕自身も観にいきたいのは山々ですが

仕事などの都合でTSUTAYAでレンタルと

なりそうです。

 

昨日のブログでは藤岡弘、さんたちが

ロケの合間に行っていたボランティアに

ついて書きました。

 

今日のブログでは仮面ライダー

人気番組に成長するまでの歴史について

書こうと思います。

 

皆さんもご存知だとは思いますが、

そもそも仮面ライダーはひとりだけであり、

仲間のライダー出現や

続編の制作予定もなかった作品でした。

作品のターニングポイントになった事件はやっぱり

「撮影中に起こった藤岡弘、さんの負傷」でしょう。

ロケ中に乗っていたバイクの転倒で、藤岡さんは

全治数ヶ月の負傷。もう撮影云々の話ではなく

ケガが直っても、もとどおり歩けるかさえ分からない。

そこで、番組のプロデューサー東映の平山亨さんは

「1号が海外のショッカー支部を追って

日本を離れたので

任務を終えた本郷猛が日本に戻るまで、

2号の一文字隼人が

本郷猛の代わりに戦う」といった

後付け設定を作り、藤岡さんの復帰まで

2号を中継ぎ主演ライダーにする

アイディアを考えました。

 

2号ライダーを務めた佐々木剛さんは

そのオファーを受けて

「藤岡君の怪我をいいことに、主役を奪う

みたいでイヤだ」と固辞。

平山さんも「どうか藤岡を助けるため」と

頼み込んだそうです。

 

ふつうだったら主人公をそこで交代させたり、

番組を打ち切るのが常識ですが、平山さんは

「本郷猛」復帰にこだわった。

その理由はファンの夢と

スタッフを守るためでした。

  

 

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  【中古】仮面ライダー 本郷猛の真実

 

きのうのブログで紹介したこの本には

藤岡さんと平山さんの手紙のやりとりがあります。

それによると平山プロデューサーは

「テロップで番組主人公交代を伝えて

番組継続など子どもの夢を壊すだけである!

大人の都合で子どもの夢をぶっ壊して

現実に引き戻させるような

マネしてなにが『仮面ライダー』だ!」と語り、

2号ライダーの中継ぎを認めさせたそうな。

また、主人公の本郷猛を守ることは

スタッフを守ることにもつながる

ものだったとも語っています。

 

仮面ライダーのスタッフの中心だったのは

フリーの監督やカメラマン。各映画会社で映画制作に

携わっていたものの、諸事情で干されたため不本意で

テレビ番組の制作を行っていた人たちでした。

映像業界では映画が格上であって、テレビは

映画の下という風潮があったために多くの

スタッフは降格組にいたという実情があったのです。

このため多くのスタッフは

仮面ライダーを成功させて、映画制作から

 俺を追い出した奴らに目にモノを見せてやる!」と

野心に溢れた人が多かったそうな。

だけど、優秀な技術や熱意を持っていても

番組が打ち切りになったらそれまで。

それだけでなく、ケガで主人公交代を行ったら

スタッフも「主役でさえもすぐに交代させられるん

だったら俺らも何かあったらどうなるかわからない」と考えてしまう。

心を通わせたら自分の期待を超える仕事をやってのける

本当のプロフェッショナルたちが、藤岡不在を守ろうと

考えて働いてくれている。そんな人たちの人情を

絶対に裏切ってはダメだ」との思いもあっての

2号誕生だったのでした。

結果論ではあるけれど平山さんのアイデアは大当たり。

バイクに乗れなかった佐々木さんのために

ライダーはベルトの風車に風を受けて変身という

設定を変更。それがあのおなじみの

「変身」ポーズの誕生にも繋がりました。

これも子どもたちにも大ウケで仮面ライダーの人気は

うなぎのぼり。最高視聴率30%を超える大ヒットに

なったのでした。

 

NHKプロジェクトXが続いていたら、

取り上げて欲しかった。

 

 

 村枝センセの

仮面ライダーSPIRITS」についても書かなきゃな。