こんにちは、コピーライターで行政書士の中村です。
事務所助手(ヨメ様)が資格試験に挑むそうです。試験の名前は、通訳案内士試験。
試験概要はコチラ↓
この試験、実は私も20年以上前に目指してました。当時は「通訳案内業試験」という名称だったと記憶しています。
結果は…当時の私には、荷が重すぎました(笑)
ちなみに外国語能力を対象とした国家試験は、この通訳案内士試験だけ。
単純に合格率だけを見れば(私が持っている)行政書士や一級知的財産管理技能士と同レベルで、超絶に難易度が高いというわけではありません。
ただ、外国語(英語、もしくはフランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語のどれか)が苦手な人にとっては、
司法試験を超える超難関と言っても差し支え無いでしょう。
ま、そんな人はそもそも試験を受けようとは思わないでしょうけどね(笑)
いずれにしても、ラクな勉強で受かる試験でないことだけは確かです。
資格試験と教科書
個人的な話ですが、これまで国家試験を中心にいくつもの試験を突破してきました(…実際に仕事に役立っている資格は少ないですが)。
それと、教師時代は大勢の学生を相手に資格試験(主に情報処理系の国家試験やIT系のベンダー資格)の受験指導をしてきました。
それらの経験で私が学んだコトは…
試験の合格だけが目的であれば、教科書を頭から読む「学校式の勉強」はやっちゃダメ!
いや…実際には個人差もあるので、100%すべての人に当てはまるワケじゃないですけどね。
それでも一般論として、教科書を頭から読んで理解しようとする学習方法は、効率が悪いどころかほとんど意味がありません。
理由は単純。人間の頭がそういう構造になってないんです。
私たちが何かを記憶する時は、意識的か無意識的かにかかわらず、いったん情報をある程度のコマ切れにします。
本(教科書を含む)を読んでも一字一句覚えるなんてことはしませんし、できません。実際には読んだ本の中で気になった「キーワードとその周辺」をピンポイントで記憶しているだけです。
食事だって、食べ物を丸呑みするんじゃなく、いったん口の中で噛み砕いてから飲み込みますよね。それと同じです。
まあ、趣味で勉強するなら教科書を「読む」のもいいでしょう。少なくとも「勉強した気」にはなれますから。
でも資格試験に合格する、つまり、必要な知識を記憶することが目的であれば…
教科書を頭から通して読んじゃいけません。
資格試験と過去問
教科書を読むのがダメなら勉強できないよ!と思う方。あるいは、まずは教科書を開かないと落ち着かない方。
とても真面目だと思います。多分、学生時代はそこそこ優秀だったんじゃないでしょうか?
だけど残念ながら、それは「資格試験攻略」向きの学習方法じゃないんです。資格試験を突破するには、教科書を開くよりも先に…
過去問、つまり過去に同じ試験で出題された問題を攻略しましょう。
取っ掛かりとしては、これに勝る方法はありません。
教科書も見ずに過去問をやっていいの?と聞かれそうですが、
OKです。
というか、事前に教科書を読んでも時間がかかるだけで、得るものはあまりありません。くどいようですが効率が悪いです。
いきなり過去問をやっても答えられないけど?という質問にも、やっぱりこう答えましょう。
OKです。
そもそも、「正解する」ために過去問を解くわけじゃないですから。
最初のタイミングで過去問に取り組む理由は、たったふたつだけです。
ひとつめは自分の既存知識と試験問題のレベル差を知ること
ふたつめは試験問題の傾向を肌で覚えること
いきなり過去問を解いてみて、自分の今までの知識や「常識」で十分に対応できる問題があれば、今後その部分は飛ばして学習できます。
つまり、それ以降の学習効率が上がりますし、なにより今後に向けての「自信」になります(この心理的な効果は大きいです)。
ふたつめの「出題傾向」は、さらにいくつかに分けられます。
(その1)出題されやすい内容についての傾向
ほとんどの試験は、試験のベースになるもの(例えば通訳案内士試験なら、日本史、日本地理、観光知識、外国語など)の全範囲が、まんべんなく出題されるわけではありません。
中には「試験問題として仕立てにくい」ものもあります。極端な例を挙げれば、北方領土や竹島、尖閣諸島などのことを一生懸命覚えても「通訳ガイドの国家試験」には絶対に出題されません(主に政治的な理由で)。
逆に過去問を通して「試験問題にしやすい」分野も見えてきますから、そういうところに時間と集中力を注ぎましょう。
(その2)問題形式についての傾向
例えば択一問題ひとつとっても、単独の正誤を選ぶのか、組み合わせを選ぶのか、個数を選ぶのかなど、様々なパターンがあります。
そしてそうしたパターン次第で、効率の良い学習方法が変わります。
厄介なことに、何年かごとにパターンがガラッと変わることもあるので、そういう傾向もある程度掴んでおかないと怖いですね。
(その3)繰り返し出題の傾向
問題によっては、同じような内容(あるいはまったく同じ問題)が数年おきに繰り返されます。これも早い段階で覚えておけば、学習の大幅な効率化が可能です。
こういった傾向は、教科書をどれだけ通読しても絶対にわからないものです。
学習の流れ
まずはいきなり、過去問をやりましょう。それも、5年分から10年分(過去10年より古いものは出題傾向がかなり変わっている可能性があるので、あまりやらなくていいと思います…少なくとも私はやりません)。
初めて過去問を解く際は、わからない問題に時間をかける必要はないです。上で書いた通り「正解する」ことが目的じゃないので。
そのかわり、正解と「解説」にはしっかり目を通しましょう。あと、既存知識や常識で対応できる問題には印でも付けておきましょう。
5年から10年分の過去問を解き終わる頃には、大ざっぱに自分と試験のレベル差や試験の傾向が理解できてますので、そしたら…
また過去問をやります(笑)
今度はしっかりと、腰を据えて。もちろん最初に過去問を解いた時に印を付けた問題(もう知っている問題)は解く必要ありません。
過去問を解き進めてみて、よく理解できないものがあれば、ここでようやく「教科書」を開きます。ピンポイントに必要な場所だけ読んで理解したら、また過去問に戻ります。
これをひたすら繰り返します。
いつまで繰り返すかというと…もちろん、すべての過去問を解けるようになるまで。
超難関試験を除き、ほとんどの資格試験ならこの時点で合格圏内の力が身に付いているでしょう。
例えば正答率70%で合格できる試験なら、過去にまったく出題されたことのない「新分野」からの出題が3割以上にならない(=過去に出題のある範囲が7割を下回らない)限り、この学習法だけで合格圏に届く可能性が高いと言えます。
ちなみに10年以上続いている国家試験で「3割以上の出題が新分野から」なんてこと、そんなにないですよ。
あとは必要に応じて、予想問題を解いたり、模擬試験を受けるなりしてみると良いでしょう(こちらは主に心理的な効果がメイン)。
まとめ
世の中には「資格試験攻略法」のようなノウハウがあふれていますが、その中でも今日紹介した『過去問主義』は、比較的オーソドックスな方法です。
とはいえ自分自身と教え子たちの経験を見る限り、かなり手堅い方法でもあります。私が今後新しい試験を受けることがあるとすれば(受けたくないけど)、迷わず同じ方法でいきますね。
これから何かの資格試験を目指すという方は、ぜひ参考にしてみてください。
ではでは!