イスラマバード=武石英史郎
2016年3月28日10時56分
パキスタンの首都イスラマバードで27日夜、イスラム法の厳格な施行を求める数万人の群衆が議会前を占拠し、一部が暴徒化。警官隊に投石し、近くの駅や建物を壊したほか、駐車中の車にも放火した。地元テレビによると、警察と群衆の計約70人以上が負傷した。シャリフ政権の要請で軍部隊が展開した。
パキスタン司法当局は今年2月、イスラム教に対する冒瀆(ぼうとく)罪が「厳しすぎる」と批判していた州知事を射殺した護衛の男の死刑を執行した。27日は男を英雄視する宗教関係者らが追悼行事を開き、そのまま首都中枢部になだれ込んだ。28日朝になっても、イスラム法による支配のほか、冒瀆罪で死刑判決を受けた他の死刑囚の刑執行を要求し、座り込みを続けている。
群衆は、政府の要請で追悼行事を一切報じない報道機関も問題視。南部カラチでも地元記者協会の建物に群衆が乱入し、テレビ局の車やカメラを壊した。(イスラマバード=武石英史郎)
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朝日新聞国際報道部
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