電現ソリューション(東京都港区)は、フィンランド企業の小型木質バイオマス発電システムを2016年春に国内発売する。出力は40キロワットで、中小ビルの電力を賄える規模。お湯も作れるコージェネレーション(熱電併給)型なので、給湯の燃料費も削減できる。ビル内に設置し、エネルギーを自給自足できる発電システムとして提案する。
フィンランドのVolter(ボルター)が開発した発電システムを独占販売する。重量は4・5トン、設置スペースは4・8×1・2メートル、高さは2・5メートル。木材を熱して発生したガスで発電する。発電と熱利用の全体のエネルギー効率は78%。1トンの木材があれば1日稼働できる。
価格は4000万円を予定する。固定価格買い取り制度を活用した売電収入に加え、給湯の燃料費削減で早期の投資回収を見込める。冬の熱需要が多い北海道や東北地方の施設、ハウス栽培や温浴施設に提案する。
小型なので集合住宅やビルの近くに設置して電源や熱源として使える。フィンランドでは電力会社からの電力供給を受けない“オフグリッド(独立電源)”化のために導入する施設もあるという。
国内の木質バイオマス発電は出力2000キロワット以上がほとんどで、設置は郊外が多い。固定価格買い取り制度を使った売電目的のプラントが多く、発電はしても熱が利用されていない。電現ソリューションは11年の設立で、太陽光発電所の分譲事業などを手がける。
バイオマス発電の熱がもったない!中小ビル「自給自足」の電源に
電現ソリューションが冬の熱需要が多い北海道や東北地方にシステム提案
日刊工業新聞2015年12月22日エネルギー面
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松木 喬
12月24日
固定価格買い取り制度が始まると木質バイオマス発電所は売電が中心となり、木材の燃焼で発生する熱が使われずに捨てられています。熱でお湯を沸かして暖房や給湯に使えば、灯油代や石油、ガス代を削減できます。固定価格買い取り制度は20年で終わりますが、熱も利用しておくと光熱費を節約する効果は20年以降も続きます。小型のバイオマス発電の登場をきっかけに、日本でも熱利用が進んでほしいと思います。
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