事前準備をしてスムーズに賃貸事務所を借りよう
フリーランスが賃貸事務所を借りる上で注意すべき5つのポイント

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フリーランスは、会社員と比較すると賃貸契約が結びにくいといわれます。
収入が安定していないと思われて、入居審査に影響してしまうことがあるのです。
フリーランスが事務所を借りるためには、収入証明書を用意するなど、事前準備が必要となります。
 
今回は、これから事業所を借りようと検討しているフリーランスに知ってもらいたい、賃貸事務所を借りるときの5つの注意点を解説します。
 
 

注意点(1)収入証明書を用意しておく


 

フリーランスは一般的に収入が不安定であるという印象があるため、収入が安定している会社員と比べて賃貸契約が結びにくいといわれています。
 
貸主としては、家賃を確実に回収するためにも安定した収入がある人に貸したいので、収入が不安定なフリーランスに貸すのは不安だという声もあります。

そんな貸主の不安を払拭するには、安定した収入があることを示す必要があります。
貸主に納得してもらうには、「これから安定した収入が見込める」のではなく、「安定した収入を得ている」という証明が必要です。
 
賃貸物件を探す前に、以下のいずれかの収入証明書を用意しておきましょう。
 

課税証明書

課税証明書は、前年の1月1日から12月31日までの所得に対する住民税(市町村民税・道府県民税)の額を証明する書類です。
住民税額と共に所得金額も記載されているため、収入証明書や所得証明書とも呼ばれています。
クレジットカードやローンの申込時にも利用されます。
課税証明書は市区町村役場の窓口で発行してもらえます。
 
発行場所:市町村役場
 

納税証明書(地方税)

地方税の納税証明書は、地方税(住民税・国民保険税・固定資産税・自動車税など)の納税を証明する書類です。
発行窓口は市町村役場となっています。
 
発行場所:市町村役場
 

納税証明書(所得税)

所得税の納税証明書は、納税額・所得金額、および未納の税額がないこと証明する書類で、所得税・法人税・消費税の納税額が記載されています。

同じ納税証明書という名称ですが、市町村役場が発行する地方税の納税証明書とは異なります。
 
発行窓口は税務署となっており、所得金額を記載してもらうには、「総所得金額の証明」、または「事業所得金額の証明」の欄にチェックを入れてください。

国税電子申告・納税システム(e-Tax)で確定申告している方は、電子納税証明書の交付請求ができます。
※所得税の確定申告をしていることが前提です。
 
発行場所:税務署
 
参照:手続名]納税証明書の交付請求手続(国税庁)
https://www.nta.go.jp/
 
 

注意点(2)連帯保証人

賃貸物件を借りるには、連帯保証人が必要となる場合が多いです。
連帯保証人は、借り主が家賃滞納をした場合など、借り主の代わりに未納家賃を支払う責任が生じます。
 
"連帯"を冠さない、通常の保証人の場合、借り主に支払える財産があることを証明できれば、借り主の財産の差し押さえを主張することができます。
しかし、連帯保証人にその主張は認められておらず、仮に借り主に支払える財産があったとしても、請求を拒否することができません。
 
両親が年金暮らしで連帯保証人になって欲しいと頼みにくかったり、頼める親類がない方は、賃貸物件探しに困るかと思います。

頼める連帯保証人がいない場合、保証人不要の賃貸物件を利用するという選択肢があります。
家賃保証会社に保証料を支払うことで、家賃保証会社が保証人になってくれます。
 
フリーランスの場合、連帯保証人がいても家賃保証会社の利用を求められるケースもあります。
家賃保証会社に支払う保証料がプラスされるため、そのようなケースに遭遇した場合は、別の賃貸を探した方がよいかもしれません。
 

家賃保証会社を利用する際の注意点

家賃保証会社によって保証料はまちまちで、家賃の半月分〜1か月分であったり、固定額にしている会社もあります。
家賃保証会社を利用するには家賃プラス保証料が必要になるため、費用が増えます。
 
家賃保証会社は頼める連帯保証人がいないときに、とても助かる存在ですが、家賃保証会社との契約には審査があり、収入や職種によっては審査に通らない場合があります。
 
 

注意点(3)「普通借家契約」と「定期借家契約」で異なる契約形態

賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」があり、契約形態によって契約期間や更新の取り決めが異なります。
 
普通借家契約の場合、貸し主に正当な理由(家賃滞納など)がない場合、更新を拒絶することができず、更新が継続されますが、定期借家契約の場合は原則として期間満了で契約が終了となります。

再契約を行わない非再契約型の定期借家契約の場合には、借り主が再契約を望む・望まないに関わらず、期間満了で明け渡しをしなければなりません。
そのことを知らずに明け渡しを求められたら、慌てて事務所、または住居を探さなければならなくなるので、契約前に必ず確認しておきましょう。
 

普通借家契約

契約方法:書面でも口頭でも可
 
契約期間:1年以上で設定(一般的に2年)
1年未満の契約の場合、期間の定めのない契約となる
 
契約期間の上限:2000年3月1日以前の契約は20年、2000年3月1日以降の契約は無制限
 
契約更新:正当な事由が無い限り、更新が継続される
 
借主からの中途解約:特約に従って解約が可能
 

定期借家契約

契約方法:公正証書等の書面による契約に限る
 
契約期間:自由に契約期間を定めることができ、期間満了で契約が終了
 
契約期間の上限:無制限
 
契約更新:期間満了で契約が終了し、更新はされない
再契約型は再契約は可能だが、非再契約型は再契約ができない
 
借主からの中途解約:床面積200㎡以下の居住用建物で、やむをえない事情によって生活の本拠として使用することが困難になった場合、特約がなくても中途解約が可能
それ以外の場合は、中途解約に関する特約に従う
 
参考記事:http://www.teishaku.jp/system05.html
http://www.fudousan.or.jp/
 

注意点(4)事務所利用不可の賃貸がある


 

普通のマンションやアパートなどの賃貸物件を事務所として利用する際は、事務所利用可能、利用不可を入居前に必ず確認しておきましょう。
借り主にとっては居住用賃貸も事務所用賃貸も差がないように思えても、貸主にとっては下記のような違いがあります。
 
・居住用賃貸と事務所用賃貸では消費税課税の有無が異なる(居住用は非課税だが、事務所用は課税対象)
 参照:No.6226 住宅の貸付け(国税庁)
 https://www.nta.go.jp/

・頻繁な人の出入りやコピー機の騒音が周辺の迷惑になる

・風呂やキッチンが長期間使用されず痛む可能性がある
 
事務所利用不可となっている物件は、こうした問題を懸念していると思われます。
「来客もないし、住居兼用だから風呂やキッチンも傷まないから大丈夫だろう」と内緒にしていても、郵便物、表札、Webサイト・ホームページ、電話帳、来客などから発覚する可能性があります。

そもそも、入居時の契約に違反してしまいますし、無用なトラブルを避けるためにも、居住用賃貸を事務所利用する際は事前に貸主に許可をもらう、または事務所利用可の物件を探すようにしましょう。
事務所利用不可の物件でも、相談をすれば業務内容によって許可が得られるケースもあります。

 
 

注意点(5)事務所利用可でも登記不可の賃貸物件もある

事務所利用が可能な賃貸物件でも、登記が不可の場合もあります。
SOHO可や事務所可としている居住用賃貸だから、登記もOKだろうと考え、確認せずに契約を結ぶと、法人化しようというときに登記ができないことがわかり、登記ができる賃貸物件を改めて探しなおさなければならなくなります。
 
登記不可とする理由は貸主によってさまざまですが、振り込め詐欺に利用されるなどのトラブルが起こるのを避けたいという気持ちがあると思われます。
法人化する予定がある方は、事前に登記が可能な物件かを確認しておきましょう。
 
 

レンタルオフィスという選択肢も考えてみよう

開業したばかりで収入が安定していない、入居審査がなかなか通らないと悩んでいるフリーランスは、レンタルオフィスという選択肢も考えてみましょう。
 
レンタルオフィスは、机や椅子など業務に必要な設備が整っており、内装も済ませた専用の事務所スペースを借りることができるオフィスです。

通常の事務所用賃貸物件は自前で設備を購入したり、内装費などがかかりますが、レンタルオフィスはすでに設備と内装が整っているので初期費用が抑えることができ、契約すればすぐに使用することができるといった点がメリットとして挙げられます。

駅近など一等地に立地していることが多く、通常の賃貸よりも初期費用を抑えつつ、好立地にオフィスを構えられるのもレンタルオフィスのメリットです。
賃料はレンタルオフィスによってさまざまですが、同程度の物件よりも家賃を抑えられるケースがほとんどです。
 
レンタルオフィスにサービス内容は異なりますが、会議室などの施設のレンタル、電話・受付といったサービスを提供しています。

フリーランスやスタートアップの事務所として広く利用されていますので、事務所がなかなか借りられないという方は、レンタルオフィスのりようを検討してみてはいかがでしょう。
 

バーチャルオフィスとの違い

バーチャルオフィスは住所や電話番号のみを借りるサービスで、実際に事務所を借りるわけではありません。
レンタルオフィスは実際に事務所を借りることができるサービスであるため、バーチャルオフィスとは異なります。
 
サービスオフィスはコストが安いですが、業務を行う事務所が借りられるわけではありませんし、事務所の実態が確認しづらいため、法人銀行口座の開設や社会保険・雇用保険の申請が通りにくいといったデメリットがあります。

レンタルオフィスは法人登記できる場合が多く(できないオフィスもあります)、登記を予定されている方は、サービスオフィスよりもレンタルオフィスを利用した方がよい場合もあるのでよく検討しましょう。
 
参考:クロスオフィス(レンタルオフィス・サービスオフィス)


http://www.crossoffice.jp/
 
 

まとめ

入居審査が通らないときは、収入が安定していることをきちんと証明できているか、現在の収入に対して高すぎる家賃の物件を選んでいないか、フリーランスに理解がある貸主かどうかなどをチェックしてみましょう。
開業したばかりで入居審査が通らないときは、最初はレンタルオフィスを借り、収入が安定してから改めて賃貸物件を探すのもひとつの方法です。
これから独立開業される方は、フリーランスは賃貸物件が借りにくいということも頭に入れて開業計画を立てましょう

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