民進党が発足 岡田代表「政権交代のラストチャンス」

民進党が発足 岡田代表「政権交代のラストチャンス」
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民主党と維新の党の合流による「民進党」の結党大会が開かれ、岡田代表を選出するとともに、江田代表代行や、山尾志桜里政務調査会長など新しい執行部体制を決め、正式に発足しました。岡田氏は「政権交代可能な政治を実現するラストチャンスだ」と述べ、結束を呼びかけました。
「民進党」の結党大会は27日午後、東京都内のホテルで連合の神津会長をはじめ、安全保障関連法に反対するグループ、「SEALDs」の関係者なども出席して開かれました。
大会では「民進党」の代表に、民主党の岡田代表を全会一致で選出し、岡田氏は就任のあいさつで、「われわれは政権与党だったときに、期待に応えられず、離合集散を繰り返したことを深く反省したうえで、不屈の精神で挑戦しなければならない。日本に政権交代可能な政治を実現するためのラストチャンスだ」と述べました。
そのうえで、岡田氏は「夏の参議院選挙で政治の流れを変える。安倍政権が衆参同日選挙に踏み切るならば受けてたとうではないか。日本の政治を国民の手に取り戻すために全党一丸となって、戦い抜こう」と述べ、結束を呼びかけました。
このあと、岡田氏が新しい執行部体制で、代表代行に江田・前維新の党代表を新たに充てるとともに、幹事長に民主党の枝野幹事長、政務調査会長に民主党の山尾志桜里衆議院議員、国会対策委員長に民主党の安住国会対策委員長代理らを起用する人事を提案し了承されました。また、「自由、共生、未来への責任」を結党の理念とし、立憲主義の堅持や共生社会の実現などを掲げた新党の綱領なども決定しました。
民進党には、改革結集の会を離党した村岡敏英氏ら4人の衆議院議員と、無所属の水野賢一参議院議員も参加し、党所属の国会議員は衆参両院で156人の勢力となります。また、「民進党」の結党により、平成8年以来、20年続いた「民主党」の党名はなくなることになりました。「民進党」は夏の参議院選挙や、いわゆる「衆参同日選挙」も想定し、安倍政権との対決姿勢を強めていく方針です。

連合 神津会長「2大政党の一翼を」

民進党の結党大会に来賓として出席した連合の神津会長は、「自民党の1強政治からの脱却を求める多くの国民の思いを受けとめる、受け皿作りの1つの大きな成果だと認識している。2大政党の一翼を担うことができる政党となるよう、さらなる取り組みをお願いしたい」と述べました。そのうえで神津氏は、「民主党が政権を下野して以降、必死に頑張ってきた党員・サポーターの理解がどのようなものか、甘い思い込みで判断することなく、十分に、丁寧に対応することが不可欠だ。万が一にも、これまでの確固たる支持者や支援者の理解が進まなければ、国民各層からの理解は夢のまた夢になる」と述べました。

SEALDsの奥田氏「国民の声にもっと耳を傾けて」

民進党の結党大会に来賓として出席した、安全保障関連法に反対するグループ、「SEALDs」のメンバーの奥田愛基氏は、「国民の声が上がっているのに政治家が応えないということでは、日本の政治は変わらない。『今、この国のどこかがおかしい』という、声になっていない国民の声にもっと耳を傾けてほしいし、民進党は国民とともに進むというスローガンを本気で言ってほしい」と述べました。

江田代表代行「改革スピリット吹き込む」

民進党の江田代表代行は結党大会のあと記者団に対し、「国民とともに進み、特に社会的に弱い立場の人たちとともに進むのが民進党だ。そこに維新の党の原点だった改革スピリットを吹き込んでいくのが、私に課せられた使命だ。代表代行として微力だが政権交代を目指して、一生懸命取り組んでいきたい」と述べました。

山尾政調会長「国民のことばで語るのが役割」

民進党の山尾志桜里政務調査会長は、結党大会のあと記者団に対し、「待機児童問題で、切実な声がある人たちが政治からいちばん遠い場所にいたことを実感した。そうした国民の声を聞いて、国民のことばで語ることが私の役割だ。民進党は一つ一つの課題に対して、対案や党の考えが明確にあることを自信を持って伝えていきたい」と述べました。

自民 二階総務会長「大きな期待は寄せていない」

自民党の二階総務会長は成田空港で記者団に対し、「政党の結党は容易にできるが、党として成長、発展していくのは、そう簡単ではない。それほど大きな期待も寄せていないし、ただ単にご活躍を祈る、ご健闘をということだ」と述べました。

公明 山口代表「建設的な競い合いを期待」

公明党の山口代表は、「議会制民主主義と現在の選挙制度のもとでは、健全な野党の存在が大切だ。今後、党運営や政策、国会対応などがどうなるか見守りたい。かつて、政権を担った経験を持つ議員が多いことから、建設的な競い合いを期待している」というコメントを出しました。