先週、5歳の娘の保育園の卒園式がありました。
1歳のときから保育園通い
年少時代に登園拒否に陥って
意を決して転園したこの園でのびのびすくすく成長しました。
感慨深い思い出ばかりで娘も朝からワクワクドキドキ
そしてもう一人我が家にはドキドキ緊張している方がいます。
わたしの夫
人嫌いの人見知りなのにどういうわけか保護者会長に大抜擢
この1年は各種イベントのたびに駆り出され保護者代表として、みんなの前で挨拶してきました。
イベントの前日はため息ばかり、
挨拶も早口、短文、堂々カンペ付き
保護者会長を務めてからのスタートは見ているわたしが毎回ハラハラさせられました。
そんなこんなで迎えた卒園式。
娘の姿をみたときと同様に夫の挨拶にも号泣してしまったのです。
人見知り夫が
保護者会会長になった理由
いつでもどこでもペラペラおしゃべり。全く知らない人でもしばらくしたら友達のようになる八方美人なわたしとは大違い
・無口
・集団が苦手
・感情を表に出さない
基本的に考えを口にするのは苦手
できることなら新しい人に出会いたくないのがわたしの夫です。
それでもわたしの横にいる彼は、周りからの印象が良く
・誠実そう
・真面目
・チャラけた嫁と一緒にいるのだから優しいに違いない
誰かと話すわけではないけれど
しっかり者パパの地位を静かに確立していきました。
「お父さん、保護者会会長になってもらえないでしょうか?」
お迎えの際、そう切に訴えてきた園長先生に
「あぁ、大丈夫だと思います。」
八方美人な私がNoと言えるわけもなく
「・・・・。」
無口な夫が爽やかにお断りする話術を持つわけでもない。
こうして
人見知りで集団苦手な夫は、娘の保護者会会長になってしまったのでした。
各種イベントの挨拶を
定型文で乗り切る日々
運動会、夕涼み会、発表会、クリスマス会卒園式を含めると、保護者会会長は少なくとも5回挨拶する機会があります。
逆に言えば、それ以外の活動はほぼありません。
役員の集まりはこれまでに2回ほどありましたが、そのどれもが先生方が中心になって進行してくれるものでした。
保護者会長の役割、それは各種イベントの締めとなる挨拶だけがメインとなります。
夫は毎回悩まなくてもいいように自ら定型文を作成しました。
それをこっそり公開します。
本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
保護者を代表いたしまして○○組○○の父わたくし●●(苗字)が挨拶させていただきます。(このときの季節に合わせて)の天候の中
こんな素晴らしい(イベント)を微笑ましい気持ちでかつ楽しく拝見でき嬉しく思います。園長先生はじめ先生方、熱心な指導と細やかな準備をしていただきありがとうございました。応援、協力していただいた保護者の皆様心より感謝申し上げます。
子供達の笑顔ははじけるようでした。
・各種演目の感想を3つほどピックアップ紹介
(ちゅーりっぷ組のダンスは可愛らしく
ひまわり組の組体操はたくましく感じました...etc)
=事前に配布されるプログラムをみて感想を予想するご自宅に帰ってからも、今日のことを話題にし、ぜひお子様を褒めてあげてください。
これからも(季節)日々が続きますが、
皆様のご健康、ご活躍心よりお祈り申し上げます。最後になりましたが、
いつも楽しい園生活を支えてくださっている先生方スタッフの皆様、 本当にありがとうございます。以上を持ちましてわたしの挨拶とさせていただきます。
本日はお集まり頂き、ありがとうございました。
・自己紹介
・季語を含め、園と保護者に感謝の言葉
・演目の感想(プログラム+形容詞)
・締めワードを含めた感謝の言葉
イベントプログラムの感想を
先生と保護者への感謝の言葉でサンドイッチする方式
この文は(かっこの中)を変えるだけで使いまわしがきき、便利。
聞く側にとっては卒がない挨拶の完成です。
夫の保護者会会長挨拶は、このパターンで決まり!
誰の顔も見ない、
定型文を読むのみ
人見知り、スピーチ恐怖症の夫は
各種イベント毎に
全く感情のこもっていない挨拶を淡々とこなしていきました。
スピーチ恐怖症を乗り越えた
卒園式の保護者会会長挨拶
いつものように順調に進行されるプログラム我が子の成長に涙ぐむご両親もたくさんいました。
わたしもその一人です。
隣の夫は相変わらず冷静で、無口でその光景を眺めていました。
プログラム終盤に差し掛かり、保護者会長である夫の名前が司会者によって呼ばれます。
すくっと立ち上がり前にたった夫はなんだかいつもと雰囲気が違いました。
いつもと同じ定型文の中に
さまざまな言葉が差し込まれていたのです。
~中略~
○○組のみなさん、卒園おめでとうございます。
4月からは幼稚園、楽しみですね。
先生のお話しをよく聞きましょうね。保護者の皆さま、本日はお子様のご卒園お祝い申し上げます。
卒園児全員が、健やかにのびやかに成長していくことが出来ますよう、心よりお祈りいたします。初日こそわたしの手にすがりながら泣いて登園を嫌がった娘。今では
自分より大きなかばんを背負い園まで駆ける背中になんとも言えないたくましさを感じます。今日は、我が子の卒園を祝うと同時に、子育ての主体であったお母さん、微力ながらもサポートに努めたお父さんにも労いとエールを送りたい気持ちです。
園長先生をはじめ先生方、本当にお世話になりました。おかげさまで今日、卒園の日を迎えることができました。今後とも子どもたちの成長を見守り、ご指導くださいますようお願い申し上げます。
最後に保育園の益々のご発展と皆様のご健康、ご多幸をお祈り申し上げます。
・カンペを見ない
・相手の顔を見渡す
・ゆっくりした語り調
わたしを含め、他のお母さん方が涙をぬぐうほどこのスピーチは胸を打ちました。
前を向いて、ゆっくりと話すことで、
機械的に読み上げるだけの挨拶とは違い、今思うことをそのまま口に出したような、気持ちに訴えるスピーチになります。
場数を踏むこと、パターンを掴むことで応用の幅が広がります。
夫が人見知り、スピーチ恐怖症から卒業した瞬間でした。
まとめ
どんなに難しい言葉を使って挨拶するにしても誰もが分かりやすい表現でスピーチするにしても
長い文でも
短い文でも
素晴らしいスピーチには共通点があります。
・相手の顔をみること
・ゆっくり読むこと
・言葉に想いを込めること
定型文をつくると安心して挨拶することができます。
安心して挨拶することが増えると、自分に自信がつき表現の幅が広がります。
初めからカンペ無しを狙って完璧に暗記しようと意気込む必要はありません。上の3つさえ出来れば立派な挨拶になるのですから。
保護者会会長の役割は人見知り夫にとって過酷に思えました。
この一年間を通して堂々と前を向いて話す姿をみて
「保護者会役員やってよかったのかもしれない。」
わたしが思うよりも先に
きっと夫はそう思っているはずだと確信しています。