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【政治】民進党発足 立憲主義守る、政権と対立軸を明確に民主、維新両党が合流した民進党が二十七日、結党大会を都内で開き、衆参両院で計百五十六人が結集した野党第一党が発足した。平和主義など憲法の基本原則を堅持し、立憲主義を守ることを盛り込んだ党綱領などを正式に了承。夏の参院選や衆参同日選も視野に入れ、憲法違反の声を無視して集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法を成立させた安倍政権との対立軸を明確に打ち出した。 =核心、関連<2>社説<5>面 代表に岡田克也民主党代表が就任。代表代行には蓮舫、長妻昭の両民主党代表代行が横滑りしたほか、江田憲司前維新代表が新たに加わった。幹事長に枝野幸男民主党幹事長が就き、政調会長には当選二回の山尾志桜里民主党衆院議員が抜てきされた。 岡田氏は「民進党は政権交代可能な政治を実現するラストチャンス」と強調。夏の参院選に向け「ここで政治の流れを変える。代表として全責任を負い、必ず結果を出す。安倍政権が衆参同日選をやるというなら受けて立つ」と訴えた。 その後の記者会見で社民、生活両党が新党に参加する可能性は、政策一致の必要性から「現実的になっていない」と説明した。 党綱領は「自由・共生・未来への責任」を結党の理念とした上で、憲法が掲げる「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」を堅持し「自由と民主主義に立脚した立憲主義を断固として守る」と明記した。 結党大会に先立ち、維新は臨時党大会を開いて解党を決めた。民主党が「存続政党」となった。 ◆民進党綱領の要旨「自由、共生、未来への責任」を理念とする。 (私たちの立場) 「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つ。国民と共に進む改革政党である。 (目指すもの) 一、立憲主義を守る 自由と民主主義に立脚した立憲主義を守る。象徴天皇制の下、新しい人権、統治機構改革など時代の変化に対応した憲法を構想する。 二、共生社会をつくる 全ての人に居場所と出番がある社会をつくる。 三、改革先送りしない 行財政改革、政治家が身を切る政治改革、地域主権改革を断行する。原発に頼らない社会を目指し震災復興を実現する。 四、経済成長を実現 人への投資によって持続可能な成長と、能力発揮を阻む格差是正を実現する。 五、平和と繁栄に貢献 専守防衛で外交安全保障の現実主義を貫く。日米同盟を深化させる。 ◆脱「一強」受け皿へ一定の勢力確保<解説> 民進党は綱領に「立憲主義」を明記するなど、安倍政権を強く意識した。安全保障関連法に対し「憲法違反」と廃止を訴える国民の声の受け皿として、政権交代も目指せる野党勢力の結集が実現した意味は大きい。 国会は自民党の「一強体制」といわれ、立憲主義に反するとの批判も「多弱」と呼ばれた野党の間に分散しがちだった。結党大会での「一強政治から脱却し、国民の思いを受け止める受け皿作りを」(神津里季生連合会長)との期待は、民進党の支持勢力以外にも共通だ。 民主党が政権を獲得した二〇〇九年、自民党が政権に復帰した一二年の衆院選では、いずれも両党は公示前に百十人ほどの衆院勢力だった。民進党の九十六人の衆院勢力は、野党第一党として十分な規模に近づいたといえる。 二十六日に初の定期大会を開いたおおさか維新の会は「夏の参院選で憲法改正の国会発議に必要な三分の二以上の勢力を取る」との姿勢を明確にした。安倍政権が参院選で掲げる最大の目標と同じだ。二つの野党の正式な旗揚げで、政権に対する野党の距離感も色分けが進んでいる。 (古田哲也) PR情報
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