むむむ。ちょっと引っかかる出来事があったのと、
ずっと言いたかったことが言えそうな気配なので、言っちゃうぞ。
喧嘩を売ってるわけじゃないのだけ分かってくだしゃい。
ブログというかWebの話です。特にはてなブログの話です。
今更モバイルファースト……?
某氏がモバイルファーストに触れてるSEO本についてのブログ記事を書いていました。
わたしは一応元Web屋なので、気になって読んでみたんです。
感想と一緒に内容もざっくり書いてあったけど、前から知ってることばっかだった。
Googleがモバイルフレンドリー対応のWebサイト、特にレスポンシブウェブデザイン(以下RWD)のWebサイトの順位を上げはじめた*1のは、確か昨年の春じゃなかったかなと思う。
つまり「これからそうするよ」ってGoogleが発表したのはもっと前のことだ。
うん、そりゃ知ってて当たり前だわ。だって当時それネタに営業してたもん。
でもね、びっくりしたの。この本、今年の2月に出された本なの。
今この内容で本出すんーーー!? せいぜい昨夏くらいの本だと思ったよ。
で、某氏の記事を読み進めていくとね、こう書かれていたのよ。
ブログでゴロゴロ転がるSEOや「○○万PVを達成するためにやったこと」という付け焼き刃のテクニック集は大概が
「いかにクリックさせるか」
「どうやって目立つか」
「どうやって拡散させるか」
に終止していてなんだか気持ちが悪い。
けれど、この本で説いているSEOは
「適切なHTMLやCSSを書きモバイルファーストなサイトを構築しよう」
「レスポンシブ対応をしよう」
といったことが主。小手先の不確かなSEOテクニックを掲げず、
キチンとモバイルに対応させることがこれからの正しいSEO
と説いていて好感が持てる。
うへぇ?
いや、別にこの文が間違ってるとは言わないよ。
SEOの本を初めてまともに読んだらしい某氏の感想も普通だと思う。
確かにはてなのブロガーが○○PVを達成するためにやったこと~みたいな記事って、コンテンツに関することが多い。
つーか、SEO対策というよりは、記事の評価を左右する指標と成り得るはてブをGETすることをCVとしたCV数とCVRを上げる方法よな。
もちろんこれは立派な内部SEO対策だって言えるのもあるよ。パンくずリストとかね。パンくずリストはいいぞ。*2
でもって、この本で説いているSEOってのは(読んどらんが)きっとモバイルファーストに作ったサイトはこうだからとかRWDがどういうものでどう良いからGoogleからの評価が高いんだよ、などなど。だろう。
驚いたのは引用部分の後半でさ……
小手先のSEOテクニックというのが、この記事の認識ではコンテンツの内容に関することのようだ(違ったらごめんなさいぃ)。この認識がわたしと違う。ブコメで突っ込んでる人もそんなにいないあたり、はてなの人たちこれにそれなりに納得してんじゃないかと思う。
レイアウトとかのことも含んでるんだろうけど、それはSEOっていうより広告に直結する工夫だと思うから一度パス。
わたしがいた会社とその周りの常識では、小手先の不確かなSEOテクニックっていうのはこういうことを言ってました。
- titleは○○文字以内にした方がGoogleからの評価が高い(文字数どうこうよりユーザーに役立つ方がいい。でも実際どうだろうね~?)。
- meta discliptionは○○文字~○○文字にするとGoogleからの評価が高い(文字数どうこうよりry)。
- SEO対策したいキーワードは記事中の○○%くらいだといい(文字数ry)。
- PCサイトとSPサイトを持ってる人もそれをやめてRWDにリニューアルした方がいい(RWDを適用するとどうしてもデザインに制約ができる。リニューアルはコストもかかるし結局ユーザーにとって不便になるくらいなら別々の方がいい。でも実際どうだろうね~?)。
そりゃ大まかな目安はあるけど、こういった豆知識?に翻弄された人が良いタイトルからたった2文字削るために悪戦苦闘しているのを見ると、おいおいそんな小手先のSEOテクなんかよりユーザーにとってどんだけいいページを作るかが大事なんだから気にすんなよ、と言ってあげるような。
少なくともわたしの周りではそんな感じでした。
で。さっきの記事の引用に戻りまして。
コンテンツマーケティングっぽいことを言ってるのが「小手先」で、「これからのSEO」がモバイルファースト。
……これめっちゃ違和感覚えません?
モバイルファーストはずっと前からある概念。これからの、どころか、もう根幹になりつつあるんじゃないかな。大雑把に言えばモバイルから閲覧する人のことを第一に考えて作れよって感じのことです(文字通りだ)。
「これからのSEO」に近いのはコンテンツマーケティングの方でしょう?というか、コンテンツマーケティングが今真っ最中で、次は何だ?って感じじゃないかしらん。
コンテンツマーケティング、次なるトレンドは何か?:ライブ中継、絵文字、VR、スマートウォッチ… | DIGIDAY[日本版]
現場の第一線から離れてしまったので、今の流行はこれって言えないのが悔しい。
ここでやっと気付いたの。
コンテンツマーケ的なノウハウ開示が見飽きられてて、モバイルファーストに今更「ふむふむ」みたいなことを言ってる人が結構いるってことはさ、
モバイルファースト、多くのブロガーさんにとって当たり前じゃなかったんか……!?
モバイルからのUXをすっ飛ばしてコンテンツマーケに取っ掛かりに行ってるんか!?
それでもなんだかんだ結果出してるからみんなすごいな。ただ、すごさとこれとは別の話だ。
読者に優しいブログを作るのが長期的に見て最大のSEOだからね!モバイルファーストって概念は基本のキだから覚えておこうな!
この記事の「1. モバイルファースト」を読むといいよ。ちょっと夢も膨らむ。
ついでにデザインの話していい?
はてなブログは株式会社はてなさんのおかげでデザインの基礎ができてんのよ。
無課金ユーザーでスマホ版いじれないわたしのブログもスマホからそれなりに見やすいでしょう。ありがとうね、はてなさん。
だがしかし。
だがしかしだよ。
この際だから言ってもよろしい?
モバイルで見辛いブログ、要するにモバイルファースト実践できてないブログ、
すっごい数あるんだわ。
Pocketってあるでしょう。いわゆる「後で読む」アプリです。
例えばわたしのこの記事をPocketに保存したとすると、一度だけオンラインで同期すれば、オフラインでもテキストで読めるようになるのさ。
SmartnewsのSmartモード的な感じのやつね。
太字も箇条書きもちゃんと反映されるんだ。引用はイタリックで表示される。
読みやすいし、そのままEvernoteにも移せるから愛用しまくりなのです。
ところがね。
カスタマイズされたはてブロの大半はPocketユーザーに冷たい
ブログのデザインをいろいろカスタマイズしてる人!!!そう!!あなた!!!!ご丁寧に記事上と記事下にシェアボタン貼ってくれてるあなたたち!全員じゃないけど!!!めっちゃいい記事書くのにさあ!!!Pocketにシェアするボタンが置いてあるから押して保存してさあ!!!!!!Pocketで見るとね??
たびたび「このページは記事ではないようですので、記事ビューではうまく表示できない場合があります。フルウェブページビューに切り替えた方が良いかもしれません。」って出てくるからな!?!?!?!?!?
やってみたことある?ねぇ自分でやってみたことある??
この表示になるとねーオフラインで読めないのさ。Pocketのアイデンティティ崩壊な。
仕方ないからフルウェブページビューで見るじゃん?やっぱりいい内容だな~このブログ Evernoteに残しとこう~!!と思ってEvernoteにぶちこもうとするじゃん???
シェアするとこに!!タイトルが!!!!!入力されないんだよ!!!!!!!!!
しょーがないから適当に「○○について:○○さんブログより」とか書いて保存するじゃん? Evernote確認するとどうなってると思う?
「このページは記事ではないようですので、記事ビューではうまく表示できない場合があります。フルウェブページビューに切り替えた方が良いかもしれません。」って出てくるからな!?!?!?!?!?*3
それはPocketの仕様だろ?関係ねーよ自分はクローズドなPocketより分かりやすい評価になって拡散力もあるはてブがほしいんだ、ってのも分かるさ分かるよ。
わたしもベンチャーやってる友達と「プレスリリース出したからはてブしてほしい」「おう、したったで、頑張ってな」みたいなやりとりするもの。
でもPocket超ヘビーユーザーのわたしにとってはカスタマイズしてかっこよくしてるブログ、だいたいこのページは記事ではないようですのでだから使いづらいの。
せっかくモバイルからの画面きれいにしてるのにモバイルに優しくないの。
そしてそれは他のPocketユーザーにとっても同じなの。多分
そしたらどうなるかって、ブログの更新通知がフィードに流れてきても読まなくなる。
どんなに役立つ記事でも「この人のブログの記事はPocketにうまく保存できない」って分かっちゃってるんだもん。
きっとわたしだけじゃないと思うんだ、そういうひと。
せっかくはてなブログには専門知識を持った人もクソ面白い人もマジもんの天才か?ってくらい文才ある詩人さんも人間味あふれる素敵な日記を書く人も沢山いるんだから、
モバイルファーストって概念を大前提にしていただいて、
コンテンツも今のまんま面白く、
個人的に&具体的に言うとPocketフレンドリーも目指してほしいなあ、
なんて言ってみたりして!ねっ!
特にPocketへのシェアボタンを置いてるならね……
(勝手に)お手本のご紹介
で、こういう風に言及するのもなんかアレかもなんですが、
自分の記事をPocketに保存してみて美しく表示されない人は
ぐるりみち。を見習っていただきたい!
本当に綺麗で読みやすいんだ。
ぜひぜひお手本に。
Cyndi.
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