2016年3月27日20時22分
大相撲春場所は27日、エディオンアリーナ大阪(大阪市浪速区)で千秋楽があり、横綱白鵬の4場所ぶり36度目の優勝で幕を閉じた。だが、白鵬が見せた立ち合いの変化に、熱戦を期待したファンからは厳しい声が飛び、横綱が涙を流す一幕があった。
横綱日馬富士との結びの一番は、白鵬が左に変わって相手の突進をかわして決着した。その直後、ヤジと声援が入り交じる中、席を立つ観客の姿も目立った。
土俵下で行われたNHKのインタビュー。白鵬は「2日目からはいい相撲ではありましたけど、千秋楽はああいう変化で決まるとは思わなかったので、本当に申し訳ないと思います」と話して言葉につまると、目が潤んだ。支度部屋で涙の理由について問われると「いろいろとこみ上げるものがあったので。重ね重ねですから」と語った。
ファンの受け止めもさまざまだ。大阪府高槻市の山本啓さん(66)は夫婦で観戦した。「千秋楽で最後、しかも優勝が決まる取組で、それに値するシビアな勝負が見たかった。正々堂々と正面で受け止める。ファンも期待していたはず」と残念がる。
奈良県田原本町の会社役員八田康さん(58)は「白鵬は優勝から3場所遠ざかっていて、年も年、勝負の世界ではしょうがない」とかばった。
一方で、取組後から表彰式にかけて会場に飛んだヤジについては「相撲ファンとして恥ずかしい」と話した。「客席から座布団がほとんど飛ばなかった。多くのファンは冷静に見ているのでは」
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