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松田次博 間違いだらけのネットワーク作り

iPad miniを電話として使う際の「壁」

2016/03/28
松田 次博=情報化研究会主宰 (筆者執筆記事一覧

 ある企業でiPhoneを営業マンの生産性向上のために導入しようとトライアルをした。その結果、目的の業務をするうえでiPhoneよりも画面の大きいiPad miniのほうが良いということになった。iPhoneはもともと電話機であるから、090番号などで携帯電話を使えるし、ソフトフォンを搭載してスマホ内線を実現するのも簡単だ。

 iPad miniは電話機能がないので、電話は別の携帯端末を使うのが自然だ。しかし、それでは費用がかさむ。iPad miniで電話も使えるようにしたいと考えた。

受話器はBluetoothヘッドセット/ハンドセットが最適

 ビジネスで電話を使うには取引先などからの電話を受けるための電話番号がいる。iPad miniでは090などの携帯電話番号が付与されたSIMは使えないので、「データ専用SIM+ソフトフォン」で050番号を使うことになる。インターネットを使う場合はNTTコミュニケーションズの050 plusのようにiPad miniそれぞれに050番号を付与して使う方式もあるし、閉域モバイル網とIP電話サーバーを使って内線番号と050番号を併用する方法もある。

 20センチ余りの高さがあるiPad miniを携帯電話のように片手で耳に当てて電話をするのは難しい。それにスピーカーがホームボタン側、マイクは上部にあるので本体を逆さまにして耳に当てねばならず、格好が悪い。受話器が別に必要だ。ヘッドフォンジャックにコードを挿して使うハンドセット、Bluetoothで接続するヘッドセットやハンドセットが選択肢になる。コードで接続するハンドセットは音質が良いのだが、固定電話として使うならともかくモバイルで使うには不向きだ。Bluetoothのヘッドセットもドライバーにはふさわしいが、営業マンがビジネスシーンで使うには不自然である。やはり、見た目も操作性も携帯電話機に近いBluetoothハンドセットが欲しい。

 ネットを検索すると4000〜5000円程度のハンドセットがいくつかある。その中で比較的利用実績が多そうなグリーンハウスのハンドセット(写真1)で実験をすることにした。iPad miniで実験する前にiPhoneとペアリングして試したところ、iPhoneに着信した電話でハンドセットの呼び出し音が鳴り、受信ボタンを押下して受信できた。音質も問題ない。発信もハンドセットのダイヤルボタンで行えた。iPhoneがカバンの中にあっても、ワイシャツのポケットにクリップで留めてあるこのハンドセットで受信や発信が出来るので便利である。

写真1●iPad miniとグリーンハウスのハンドセット
[画像のクリックで拡大表示]

 iPad miniの実験ではNTTコムの050 plusをインストールした。その上で携帯電話からiPad miniに発信したり、iPad miniから携帯電話へ発信する実験をした。

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