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zoom RSS 経済力のない男性は、家裁では保護されないという厳しい現実

<<   作成日時 : 2016/03/26 22:25  

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離婚事件で、ときおり遭遇するのが「稼がない夫」である。これには、いくつかの種類がある。
第1は、働いているが稼げない夫である。写真家とか音楽家とか、選択した職業そのものが、低所得である場合もあるし、勤務先の給料が極めて低額だが能力や性格から転職もできない場合もある。
第2は、働けるが、プライドから働かない場合である。かって一流企業に勤めていたが、リストラあるいは資格試験を目指して退職した。働こうと思えば、介護とか建築現場の仕事とかいろいろあるが、自分の学歴とか職歴に対するプライドが邪魔をして、「ランクが下の仕事」には就けない。
第3は、働きたいが、うつ病などで働けない場合である。仕事等で鬱になり、働くことが出来ない。
第4は、怠けもののため、働かない場合である。毎日、パチンコなどをしてぶらぶらしている。

第4タイプ以外は、根が真面目な人が多いし、稼がないことに対する負い目から、家事や育児などは、結構、熱心だったりする。「男女平等なんだから、妻が働き夫が家事をしても問題はない」と自分を納得させる。

[離婚原因]
こういう夫をもって、最初のうちは、妻は、我慢しているが、次第に苛立ってくる。たとえ夫が几帳面に家事や育児をしていても、しだいに「こんな人と生涯を共にするなんて考えられない」と思うようになる。
特に子供がいる場合などは、妻に経済的負担が一気にくるから、妻自身が、「稼がない夫」を抱えて、次第に将来に暗い気持ちをもつようになり、その脱出策として、離婚を考えるようになる。「私は、子供ばかりか夫も支えていかなければならないのか。」

こういう離婚相談は、けっこうある。受任事件のなかでも、同様の事件は、複数ある。
こういう男性は、妻から離婚請求されたら認められるだろうか?

男性からすれば、第4のタイプの男性はともかくとして、それ以外は、悪意で働かないというわけではないから、離婚が認められるのは納得がいかないだろう。
働けても働こうとしない(専業主婦の)妻への離婚が容易に認められない以上は、男性だっておんなじだ。男女平等じゃないか。

しかし、こういう考えは、世間の常識とは異なるし、裁判所も厳しい。働かない、稼がない夫はしょせんは「ヒモ」だろうという風潮が世間には根強いし、家裁も、どのタイプも、離婚原因を認めるのが主流である。例えうつ病でも、同様に離婚を認めるのが主流だ。妻が鬱の場合とは、裁判所は正反対の考えだ。夫が働かず、妻が働いている家庭は、やむなく妻が働いているだけで、妻が一切の負担を背負っている場合が多い。妻から夫の負担を解放する必要があると考え得るのだ。

ただ、裁判官によっては、こういう実質を考えることなく、形式的に別居期間だけを重視する裁判官もいる。こういうタイプの裁判官にあたると、「奥さんのご苦労はわかりますが、別居期間が不足していますなぁ」と切り捨ててしまう。裁判官は、夫婦紛争の内実に巻き込まれることなく、形式的に外形から判断しろという考えが、一部の裁判官にあるからだ。

まあ、こういう裁判官にあたっても、高裁に控訴するとたいていは、ひっくりかえる。二審とも形式重視の裁判官にあたるという確率は低いからだ。

[親権・監護権争い]
また親権・監護権争いでも、決定的に不理となる。普段から監護しているのは夫だという意見は、親権争いでは通用しない。継続性の原則は、男性の場合は、あまり通用しないのだ。
ただ、一回だけ、「普段から監護しているのは夫だ」という意見を裁判官が採用したケースに遭遇した。寒い地域の家裁だった。関東で生活していた夫婦で、妻が仕事で外出中に、夫が、子供を連れて北の実家に逃げ帰ったのだ。
妻は、その北の家庭裁判所に子供の引き渡しを求めたが、妻に対する調査官調査もしないまま、子の引き渡し請求を棄却した。もちろん、高裁で簡単に逆転したが、こういう考えをする裁判官もいるんだと驚いたことがある。




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