イスタンブール=春日芳晃
2016年3月27日16時39分
シリアの国営メディアは27日、アサド政権軍が同日午前、世界遺産の都市遺跡で知られる中部パルミラの全域を、過激派組織「イスラム国」(IS)から奪還したと報じた。昨年9月からロシア軍の空爆支援を得て反転攻勢を進めるアサド政権にとって、対IS戦で最大の戦果だ。
パルミラは、首都ダマスカスの約230キロ北東にある内陸の要衝。昨年5月にISがアサド政権軍を撃破して制圧した。ISはここを拠点に西進を続け、パルミラ―ホムス間に支配地域を広げていた。また遺跡の神殿などを破壊する映像などを公開してきた。
アサド政権軍は3月下旬から、パルミラ奪還へ向けて攻勢を本格化。ロシア軍が空爆で支援していた。
パルミラを奪還したことで、シリア中央部からイラク国境に広がる広大な砂漠地帯を支配下に置くことができる。パルミラから約160キロ北東にあり、ISが「首都」と称するラッカ攻略にも足がかりを得たことになる。(イスタンブール=春日芳晃)
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朝日新聞国際報道部
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