生後9ヶ月は、身体の成長や発達は緩やかになっていきます。
一方で、後追いを始めたり、かんしゃくなどで自己主張したりと、心の発達が目立ってくる時期です。
パパママがそばにいなくても、少しの間なら一人遊びできるようにもなります。
こうした赤ちゃんの成長に合わせて、知育も心の発達を促すものを取り入れていきましょう。
このページでは、生後9ヶ月の赤ちゃんの成長、知育の方法、おすすめの知育玩具について紹介します。
生後9ヶ月の赤ちゃんの成長
生後9ヶ月頃の赤ちゃんは、つかまり立ちや伝い歩きをできるようになり、たくさん身体を動かすことで全身の筋肉が鍛えられて、体つきがシュッと引き締まります。
日中にしっかり遊んで、夜はぐっすり眠るという生活リズムが身につき、お昼寝は午前と午後に一度ずつ、おおむね決まった時間に眠るようになります。
パパママに喃語で話しかけたり、態度でしっかり自己主張したりできるようになりますし、パパママの声掛けにも反応してくれます。
拍手やバイバイなど、パパママのマネも上手になっていきます。
生後9ヶ月の赤ちゃんの身長・体重
・男の子
身長:67.4cm~76.2cm
体重:7,160g~10,370g
・女の子
身長:65.5cm~74.5cm
体重:6,710g~9,850g
一日に動く量や離乳食を食べる量などによって、身長と体重、体格の個人差は大きくなります。
体重の伸びが少なくても、赤ちゃんが元気ならそれほど心配する必要はありません。
ただし、体重が減るようであれば小児科に相談してみましょう。
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生後9ヶ月の赤ちゃんの身体
- 目:視力は約0.2まで向上します。人の顔や動きを認識し、マネをしたり後追いしたりするようになります。
- 鼻:嗅覚は大人と同じレベルまで発達しています。
- 耳:パパママの口の動きを目で見て、出てくる音を耳で聞き、口の動きと声を覚えてマネをしようとします。
- 口:味覚は大人と同じくらいまで発達しています。口は、飲んだり食べたりするだけでなく、身の回りにある物の感触、大きさ、形などを確認するためにも重要です。
- 首: 首すわりは完成しています。
- 手:小さい物をつまむ、指をさす、紙を破く、物を投げるなど、手先の動きが器用になっていきます。また、腕の筋肉がついてくると、重い物を押したり持ったりできるようになります。
- 足:つかまり立ちや伝い歩きを始め、立った状態で動くための筋肉がついていきます。
- 表情:パパママや周りの人の表情をジッと観察し、マネするようになります。目が良くなるにつれて、細かいところまで見てマネしようとします。また、色々な表情にチャレンジする中で、鼻の下を伸ばしたり、上唇を噛んでみたりと、いわゆる「変顔」もたくさん見せてくれます。
- 運動機能:つかまり立ちや伝い歩きを覚え、立った状態で動いたり、手を使って遊んだりする力がつきます。また、バランス感覚も養われていきます。
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生後9ヶ月の赤ちゃんの知育
生後9ヶ月頃の知育は、赤ちゃんが楽しんで自発的に取り組むことが何より大切です。
親としては、赤ちゃんにいろいろなことを経験させたいという気持ちがあると思いますが、赤ちゃんが興味関心を示したことを自由にやらせてあげ、危険なことや間違ったことをしたら正すという姿勢で接してあげましょう。
つかまり立ちした時の身体の重心や、伝い歩きする時の足の上げ方など、身体の動かし方については正しい方法をしっかり教えてあげます。
変な癖がついてしまうと、その後の体の成長や運動機能の発達に影響するリスクがあるからです。
また、つかまり立ちや伝い歩きを始めると、転倒してケガをするリスクが高くなるので、安全面にはより注意が必要になります。
生後9ヶ月頃には、赤ちゃん一人ひとりの個人差はかなり大きくなっているので、「生後9ヶ月だから、これくらいはできないといけない。」と気負わず、赤ちゃんのペースを尊重して知育に取り組ませてあげましょう。
生後9ヶ月頃におすすめの知育は、次のとおりです。
- ノーゴー行動(反応)を教える
- いないいないばあ、おもちゃはどっち?、おもちゃはどこ?で遊ぶ
- 会話ごっこする
- 赤ちゃんが興味を持った物の名前を教える
- 手遊びさせる
- 赤ちゃんの成長と発達に応じた知育玩具で遊ばせる
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おすすめの知育玩具
生後9ヶ月の赤ちゃんにおすすめの知育玩具は、ラッパのおもちゃ、オーボール、布絵本、積み木(ニキーチンの積み木)、鏡、ペグさしです。
ねじり棒やブロックで遊べるようになる赤ちゃんも増えてくるので、渡してあげても良いでしょう。
知育玩具は、赤ちゃんが楽しんで自発的に遊ぶことで本来の知育効果をあげるものです。
そのため、知育玩具を渡しても赤ちゃんが興味を持たない場合は、無理に遊ばせようとする必要はありません。
ラッパのおもちゃ
ラッパのおもちゃは、赤ちゃんに息の吐き方を覚えさせるのに効果的です。
ラの音だけが出るもの、ドレミファソラシドが出るもの、自動的に音楽が流れるものなどたくさん種類があります。
赤ちゃんはラの音が好きなので、パパママがラの音を出して赤ちゃんの興味を引き、吹く練習をさせてあげましょう。
生後9ヶ月頃だと、まだ上手に音を出すのは難しいものですが、繰り返し練習するうちに上手に吹けるようになり、息の吐き方も身についていきます。
オーボール
オーボールとは、軽くて柔らかい素材でできた網目状のボールです。
赤ちゃんが自由な発想で遊べる知育玩具の定番です。
生後9ヶ月頃には、パパママとキャッチボールしたり、自分でオーボールを転がして後を追いかけたりできるようになります。
また、ボールの動きを予測して、ボールが転がってきそうなところに手を伸ばせるようになります。
布絵本
布絵本とは、赤ちゃんの目を引く絵柄やいろいろな仕掛けが楽しめる布製の絵本です。
生後9ヶ月頃には、自分で布絵本を1ページずつめくり、絵柄や仕掛けを楽しむようになっていきます。
絵柄を指さすようになるのもこの時期です。
赤ちゃんのそばに寄り添って、赤ちゃんが指差している物の名前や色を教えてあげましょう。
積み木
積み木とは、木やプラスチックでできた積んで遊ぶおもちゃです。
生後9か月頃には、積み木を積む動作を始める赤ちゃんも増えてきます。
まだまだ上手に積み上げることはできませんが、パパママの動作を見てマネを繰り返すうちに、1段くらいなら積めることがあります。
ニキーチンの積み木
ニキーチンの積み木とは、ロシアの教育学者ボリス・パーブロヴィチ・ニキーチンが考案した積み木です。
積木の表面が色分けされており、積み木の基本的な遊び方(並べる、積む、崩す)に加えて、平面で色あわせや模様作りを楽しむこともできます。
色合わせや模様作りのパターンは無数にあり、赤ちゃんの想像力や発想力が存分に発揮されます。
ニキーチンの積み木のマニュアルが販売されているので、読みながら知育を進めてみても良いでしょう。
生後9ヶ月頃だと、本来の遊び方はまだ難しいものですが、早いうちから慣れさせておきましょう。
鏡
生後9ヶ月の赤ちゃんの多くは、鏡に映る赤ちゃんが自分だと理解し、自分と他人も区別できています。
赤ちゃんを鏡の前に立たせると、鏡に映った自分を見ながら手足を動かしてみたり、鏡越しにパパママに手を振ったりして遊びます。
なお、赤ちゃんが、鏡に映る赤ちゃんが自分だと認識しているかどうかを確認する方法は、次のとおりです。
- 赤ちゃんのほっぺにシールを貼る(口紅などをつけても良い)
- 鏡の前に赤ちゃんを連れていき、反応を見る
赤ちゃんが、鏡を見て自分のほっぺに触ろうとすれば、鏡に映るのが自分だと認識できている証です。
ペグさし
ペグさしとは、太さの異なるペグを穴にさして遊ぶおもちゃです。
ペグを穴にさすためには、指でペグをつまむ、ペグに合う穴を探す、ペグをさしこむという段階を踏む必要があり、目と手の連動性や手先の器用さが向上します。
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