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Irolog

気楽に暮らすために、考えたり学んだりしたことを綴っていきます。シンプルライフ中心の雑記ブログです。

「消費」することの見直しを。ドキュメンタリー映画『ザ・トゥルー・コスト』を観て思ったこと

環境

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以前、ミニマリストの筆子さんが書いているブログ『筆子ジャーナル』を読んでいたら、ファストファッションについての記事が書いてありました。

そこで見つけた『ザ・トゥルー・コスト』という映画がとても気になっていたのですが、旭川で上映会があるという情報があったので、観に行ってきました!

ドキュメンタリー映画『ザ・トゥルー・コスト』

unitedpeople.jp

2015年にアメリカで公開された映画です。日本でも2015年11月14日に公開されていました。ファッション業界に焦点を向けて、消費社会の裏側で起きている問題を提起している映画です。

ファストファッションとは

fast(速い)fashion(ファッション)。低価格に抑えた衣料品を短いサイクルで、大量生産・販売しているブランドや業態のことです。日本でも着られている服の約半数が安い服、という状況になっているらしいです。

服が消耗品になっている

子どもの頃は身体が成長するので、早いサイクルで服を買うのは当たり前だと思っていました。しかし成長が止まったら、そんなに早いサイクルで服を買わなくても大丈夫なはずです。

私も20歳を超えたので身体の成長はほとんど止まりました。もちろん友達も体型はほとんど変わっていません。しかしSNSを眺めていると、服やアクセアリーを買ったという投稿が頻繁に見られます。

現代の流行を見ていると、次の年には新しいアイテムが登場しています。特に女性は流行に合わせて服を買っている人が、かなり多いと思います。流行に合わせるのが「当たり前」になっているような気がしています。

ファッション業界の闇

今や当たり前となってしまったファストファッション。その裏側にはいろいろな問題があることがわかりました。

服が作られている環境

ファストファッションのほとんどは、開発途上国の人たちによって作られています。映画に出てきたのはバングラデシュという南アジアの国です。

映像では縫製工場でたくさんの人がミシンに向かっていました。工場はきれいで環境が整っているとは言えません。2013年4月に「ラナ・プラザ」という商業ビルが崩壊して、1,000人以上が亡くなり多くの人が負傷したという事故も発生しています。

労働者が建物に亀裂があると報告していたのに無視され、そのまま働かされた結果、多くの犠牲者が出ることになりました。

厳しい労働条件

服を作る労働者の賃金もとても低いのです。販売価格を下げるために生産コストも下げなければいけないので、人件費がかからないところに委託するのです。引き受ける側が断れば、別の委託先を探してしまうので仕事がなくなってしまう。お金が少ししかもらえなくても、仕方なく引き受けるしかないのです。

労働者が最低賃金の引き上げ要求のデモを起こしても、政府には見向きもされずに警察に抑圧されていました。

環境問題も深刻

大量の服を生産するので、大量の綿が必要になってきます。インドではとても広大な土地で綿を育てるので、遺伝子組み換えの綿にしたりたくさんの薬品を使ったりして栽培する効率を上げています。

バングラディシュでは浄水設備も十分に整っていないので、工場で使った水もそのまま川に流されています。川の水は人々が生活するのに使われているので、すぐに汚染物質の影響を受けてしまいます。

インドやバングラディシュでは皮膚病や腫瘍を持つ人が増えてきたり、知的障害の子どもが多く産まれてきたりするようです。

さらに使われなくなった服が山のように積み上げられている映像もありました。使わなくなった服を寄付しても、古着として活用されるのはごくわずか。多くの服は廃棄処理もされず積み上げられたままのようです。

消費主義・資本主義の社会

魅力的な広告で消費を促しモノを買わせる企業側。広告を鵜呑みにしてしまい消費を続ける客側。私たちの消費活動は、企業によって仕組まれているものが多いのです。たとえ裕福でなくても「安いから」という理由で買い続ける人が多いのです。

そして得をするのは企業だけです。労働者も消費者も、利益を得るためのコマなのです。利益を得て良い労働環境を整えることはないし、いかに多く消費させるかを考えているのです。

ファッションに犠牲は必要なのか

今やファッションはただ着るだけではなく、自分を表現する道具として使われています。この自己表現のための犠牲は、必要なものでしょうか。

このようなファッション業界の闇を知らない人が多いでしょう。仮に全ての人がこのような実態を知ったとしても、自己満足のために買い続ける人やお金がないから安いものを買い続ける人もいるでしょうね。

考え方は人それぞれですが、たくさんの人にこのような問題があることを知ってほしいなと思いました。

「消費」という行動を見直すきっかけに

この映画はアメリカからファッション業界に焦点を当てていましたが、他のいろいろな業界にも同じようなことが言えるのではないかと思いました。

日本も不況があるとはいえ、とても多くの消費をしている国だと思います。TVCMなども商品についての広告が多いと感じます。次から次へと新商品が開発されています。広告に踊らされて商品を買っていないか?本当に必要なモノなのか?

「消費」についてもう一度考え直すきっかけになりました。