蹴球探訪
フロンターレと陸前高田市
築かれた新たな絆
(3月16日)
【プロ野球】オコエ、あいさつ代わりのプロ初盗塁 6度のけん制球も何のその2016年3月27日 紙面から
◇楽天3−3ソフトバンク楽天が1−3で迎えた8回に追い付いて引き分けた。2死二、三塁から銀次が左前に2点適時打を放った。ソフトバンクは好投していた先発のバンデンハークがつかまり、打線も13残塁と好機にあと一本が出なかった。 ◇ 延長12回2死。最後の打者となった楽天のオコエは、日本一の守護神・サファテの初球、152キロの剛速球に二飛に終わった。しかしコボスタの満員のファンは最後までオコエ劇場を堪能したのではないか。 魅せたのはプロ初打席が巡ってきた10回。ソフトバンクの中継ぎ・バリオスから四球を選ぶと、ピリピリムードのバリオスは続く岡島への初球前に、一塁へ3連続のけん制球。この間には投げるふりもした。岡島に2球投げると、さらに2度のけん制球。これだけ警戒されると、並みのルーキーならスタートは切れないものだが、オコエは1ボール2ストライクからの4球目に果敢にスタートした。 タイミングは微妙だったが、切れ味鋭いスライディングでタッチをかいくぐって、セーフ。開幕2戦目にしてプロ初盗塁に成功だ。結局、後続が凡退しサヨナラのホームを踏むことはなかったが、持っている男ぶりを存分にアピールした。 「いつでもいっていい、というサインでした。アピールできるチャンスも少ないので、勉強とともに勝利に貢献したいという気持ちだけでした。スライディングはプロに入って教わった、ベースに突き刺すスライディングを心掛けた。高校時代までのスライディングだったら、アウトだったでしょう」 この男がグラウンドに入ると、空気が変わる。この日の出場は2点を追う8回1死一、二塁、代走に起用された。岡島の遊ゴロで二塁封殺されるが、この後、銀次の2点同点打が出て、ゲームが振り出しに。連日のミラクル劇の予感に、ボルテージも上がった。9回表、プロ初となる中堅の守備に就くと、2つの飛球を難なくさばいた。そのたびに、コボスタのファンがヤンヤの歓声だ。 「フライを捕るたびに歓声が上がるのは、うれしいけど、勝利に貢献する結果で喜ばれたい」と志は高い。梨田監督は「オコエは何か持っている。何を持っているか分からないけど」とナゾのような笑みを浮かべた。開幕カード後に投手陣を増やすため、オコエには2軍落ちの観測もある。だが、こんな持ってるぶりを見せつけられては…梨田監督はどうするつもりだろう。 (竹下陽二) PR情報
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