「ストーンズinハバナ」は、キューバと欧米の国交回復アピール?
2016年3月27日6時0分 スポーツ報知
社会主義国キューバの首都ハバナで25日、英国の伝説的ロックバンド「ローリング・ストーンズ」が初めてコンサートを行い、屋外のスポーツ複合施設にはキューバ政府によると国内外から約50万人が集結し、熱狂した。ストーンズは18曲を歌い、最後は「サティスファクション」で締め、大歓声に包まれた。キューバと欧米諸国の雪解けを象徴する歴史的な一日となった。
今回のコンサートについて、米国外交問題に詳しい筑波学院大学の浅川公紀名誉教授は「米国とキューバの国交回復は、オバマ大統領にとって政治的レガシー(遺産)となる。それを大々的にアピールするために行われたのでは」とみている。
浅川さんは、オバマ氏の政治的手段として一般国民との結び付きを強調するものが多いと指摘。22日にはハバナで大リーグ、レイズとキューバ代表の親善試合を開催した。「米国からキューバ側に幾つかの提案をした中で両国の思惑が一致し、野球とともに選ばれたのでしょう」と分析した。
一方、音楽評論家の湯川れい子さんは、ストーンズに白羽の矢が立ったことに「世界的な名声があり、若者から年配まで全員が一緒になって盛り上がれるアーティストといえば、彼らしかいない」。最適な人選だったとすると同時に「バンドのリーダーであると同時にプロデューサーでもあるミックの性格を考えると、商売っ気は関係なく『行きたい』と言ったのかもしれませんね」と分析していた。