初めてFXを始めたい人向けにポイントを比較
為替取引を始めたい人向けに、どういったポイントに注意してFX業者を選べばいいかをまとめました。
主に以下の観点からまとめています
・スワップ金利(高金利通貨を買うと手に入る金利収入)
・コスト(買値と売値の差)
・通貨ペアの多様さ(どれだけいろいろな通貨で取引できるか)
を軸に以下のその他の要素も考慮しておすすめFX会社を決めています。
その他の要素とは
・レートの信頼性(FXは同じ通貨でも業者ごとに値段が違う。うまく流動性を管理できないSTP方式を使っている業者は要注意。ネットモール系の業者は何度かやっちゃってます)
・注文機能が多彩か(逆指値やOCO、トレール注文などの特殊注文対応)
・レバレッジ(どれだけ効率的に資金を使えるか)
・情報源の多さ
・便利な(特殊な)取引方法が利用できるか
・旅行に便利な外貨をもらうことが出来るか
・Macで利用できるか
・モバイル(スマホやガラケー)での注文は有利か
・会社としての安定性はあるか(金融商品取引法において第一種金融商品取引業を行う金融商品取引業者は、自己資本規制比率が140%を下回ったら金融庁に届け出が必要になっている)
などを考慮しています。
[:contens]
スプレッド(取引コスト、買値と売値の差)に注目したFX口座
スプレッドの重要性
取引コストは非常に重要です。仮にスワップ金利を狙うにしても、取引時と取引の解消時にコストがかかっては、メリットが薄らぐといったもの。
取引コストは、買値と売値の差であるスプレッドで表されます。為替証拠金取引では、通常売買時に取引手数料がかかることはないため、このスプレッドが唯一のコストになります(儲かった場合は税金が別途発生します。念のため)。
スプレッドをもう少し具体的に説明します。
ドル円の取引を例に挙げると、ドル円の取引レートは
[買い]113.05円(1ドル当たり)
[売り]113.00円(1ドル当たり)
のように、買いサイドと売りサイドの両方の値段が提示されます。この差額がスプレッドというわけですね。
今、ドルを買うなら113.05円、これを即時に売れば113.00円、その差額の0.05円(5銭)だけ損することになるので、その分がコストになるわけですね。
このスプレッドは、ドル円の取引の場合、0.3銭がスプレッドが狭い(取引コストが安い)FX業者としての目安になります。
なお、このスプレッドは為替が大きく動くような局面(重要な経済指標が発表された、日銀・FED・ECBなど中央銀行が金融政策を変更した、など)では固定的ではありません。これには不満もあるところなのですが、ある意味では仕方ないことです。
それは、為替水準の妥当価格(フェアバリュー)がわからなくなる(市場参加者の意見が分かれる)局面では、為替取引の本丸である銀行間の為替市場のスプレッドが拡大してしまうからです。
反対に、為替市場が大きく動くような局面でも、比較的狭いスプレッドを提供したFX会社は高く評価される傾向があります。短期売買で利益を積み上げることを狙う人は、そうした会社に是非口座も開きたいものです。
ドル円0.27銭のスプレッドは最強、SBI証券
ドル円のスプレッドは原則固定0.3銭が取引コストが安いといえる目安、と前述しました。このSBI証券が運営するSBI FXは、ドル円のスプレッドが0.27銭(原則固定)と現在最もタイトです。初めてのFX口座には使い勝手がいいですね。
さすが、手数料競争でネット証券業界でトップに立った同社なだけに、利用者に分かり易いメリットを提示してきますね。
上場企業であるSBIホールディングスの傘下にあることも、企業としての安心感を出しています。
ただ、スプレッドの0.27銭ですが、取引量によっては可変です。
為替取引は、(個人投資家には見えないものの)銀行間には(株式市場のように)板が並んでいるため、大きすぎる取引に対しては狭いスプレッドを提供できないのは自然なことですので、これは受け入れるしかないですね。
そこまで大きい取引を想定しなければ懸念には当たりませんし。
弱点は対応通貨ペアが12ペアと少ないことくらいか。
SBIFXはスプレッドが狭い業者として一つの基準になるので、以下の口座はこのSBI FXを基準にスプレッドを判断することとします。
ユーロ円、ポンド円などが強いFXトレード・フィナンシャル
SBI FXはドル円は0.27銭と最も狭いスプレッドで原則的に固定してくれますが、ドル円以外の通貨ペアのスプレッドは必ずしも最狭(最も狭い、最強の誤変換ではない)とは言えません。
その他の通貨でいえば、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円をスプレッド0.5銭で提供するFXトレード・フィナンシャルは有力です。
ただ、このFX業者は癖が強くて、先進国中最も高金利で個人投資家に大人気のNZ(ニュージーランド)ドル円を扱っていません。日本人的に最注目通貨ペアのドル円のスプレッドも、SBIの0.3銭と比べFXトレード・フィナンシャル0.5銭と劣っています。
また、ユーロドルも扱っていないので、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円を優先的にやりたい人や、すでに口座を持っている人が、用途に応じて利用するのに優れたFX会社といえるでしょう。
初心者向けとは言えないため、ここは参考程度です。
豪ドルのスプレッドの狭さ売りのインヴァスト証券
オーストラリアはインフレ圧力が強い国なので、基本的に高金利。そのため、豪ドル円の通貨ペアは日本人には人気があり、アジア市場ではかなりのシェアを日本の個人投資家が握っているといわれています。
その豪ドル円のスプレッドを狭い水準で提供してくれるのがインヴァスト証券です。
指標としたSBI FXは0.7銭のところ、インヴァスト証券は0.6銭となっています。ここより狭いところは前述のFXトレード・フィナンシャルのみなので、豪ドルを取引したい人には御用達にすべきFX業者です。
自己資本規制比率が1,100%超となっている安定度の高い会社でもあります。
NZドル円で最強。ユーロ円、ポンド円も隙がないDMM FX
急激にシェアを伸ばし、グループ合計の口座数では外為オンラインを抜き去ったDMM FXは、NZドル円の取引に強さを持っています。
ニュージーランドはオーストラリアの隣にあり、さらに高金利にして資金を引き付けたいって欲求がある国なので、オーストラリア以上の高金利(時期によって異なる)。
そのため、先にも述べたようにNZドル円の通貨ペアも人気が高く、それを 最も狭いスプレッドで取引できるのがDMM FXです。
スプレッドはSBI FXが1.79銭のところDMM FXは1.4銭です。このFX業者はユーロ円、ポンド円でも最安クラスのため、初めてFX口座を持つ人にとって非常に使い勝手が良い業者と言えます。
証拠金が最大のGMOクリック証券はスプレッド競争力も高い
NZドルで同様のコストで取引出来て、期間限定ながらユーロ円、ポンド円でDMM FXを下回るスプレッドを見せることがあるGMOクリック証券も要注目です。
≪GMOクリック証券≫米ドル円0.3銭、ユーロ円0.6銭【原則固定スプレッド】※例外あり
GMOクリック証券は、口座数ではDMM.ドットコム証券に劣後しているものの、顧客からの預かり資産(証拠金)ベースでは最大のFX業者です。金額ベースでもっとも支持を集めているFX会社といえます。
スワップ金利(スワップポイント)
スワップ金利とは高金利の通貨を買い持ちした際にもらえる金利を意味します。より正確には、買った通貨と売った通貨の(短期)金利の差額分の金利がもらえることを指します。
(短期)金利2%の通貨を買って、金利0.1%の通貨を売れば、年間2%-0.1%=1.9%の金利がもらえるわけです。
これがマイナス金利では、金利2%の通貨を買って、マイナス0.2%の通貨を売れば2.2%の金利収入がもらえます。
日本のマイナス金利がポジティブに働くわけですね。
実際は毎日(休日、バンクホリデイ分はまとめて)チャリンチャリンと金利収入が発生します。金利が好きな人にはたまらないでしょう。
ただ、そんなスワップ金利もFX会社によって水準が異なります。そして、通貨ペアごとに、時期・局面ごとによって提示しているスワップ金利は異なります。そのため、常にどこの業者が有利って一概に言い切るのは難しいのですが、スワップ金利の水準に定評のあるFX業者を挙げます。
英ポンド(円)の取引に強いライブスター証券
内需が強く利上げ期待が強い英国は先進国の中で相対的に高金利。その英国の通貨ポンドで高いスワップポイントを提供しているのがライブスター証券です。
業界最高水準のスワップポイント!ライブスター証券
スプレッド(取引コスト、後述します)は、(原則)固定で0.9銭と最強クラスではないものの、低めの水準で取引コストは低い。
ポンド以外の取引通貨も高スワップポイントで、スワップ狙いの人にはお勧めのFX業者と言えます。弱点はガラケー(ガラパゴス携帯電話)への対応が不十分なことくらいです。あと、自己資本規制比率が200%程度と少し低めなところか。
高金利のオセアニア通貨に強いJFX
豪ドル・NZドルなどのオセアニア通貨は金利が高くて日本人に大人気。そうした通貨でスワップポイントを厚く配分してくれるのが、JFXです。
一方で米ドル円や南アフリカランド絡みはあまり魅力を感じないスワップ金利になっています。NZ(キュウイ)円やりたいならJFXでいかがでしょう。
以下のヒロセ通商もJXFと似たようなスワップ金利水準になっています。
為替の情報が充実しているFX口座
情報端末がない個人には重要
bloombergやロイターなどの情報端末を持たない個人投資家には、FX業者が提供する情報は重要です。その点で、汎用性が高いSBI FXは少し物足りないものがあります(ただしFX WAVEの携帯サービスなど頑張ってる部分もある)。
欲しい情報
あった方がいい情報原として
「FX WAVE」、「GI24」、「Market Win24」の3つが挙げられます。
上記の為替情報ベンダーは24時間、世界中の金融機関に所属する為替ディーラーなどに独自取材。機関投資家やヘッジファンドの動向が現れるオプション市場の情報も提供してくれます。
ただ、現状この3つの情報ベンダーのすべてのフル情報が得られるFX業者は存在していません。そのため、2つくらい入っていればFXの情報源に優れた口座といえるでしょう。
「FX WAVE」「GI24」の情報が得られるマネーパートナーズ
マネーパートナーズは、取引価格、スプレッドの安定度に定評があるため、初心者にあったFX口座として本来もっと早く紹介したい会社でしたが、ここでついに登場させます。
マネーパートナーズに口座を開けば、「FX WAVE」「GI24」の2つが抑えられます。
他にもフィスコの情報も流しており、為替市場の情報取得に不自由しない業者といえるでしょう。総合力が高く、その他の要素も満足いくため、メイン口座にして差し支えないFX会社だと思います。
「FX WAVE」、「GI24」の情報が得られるみんなのFX「トレイダーズ証券」
タイトルで言い終わってる感がありますが、みんなのFXでは「FX WAVE」、「GI24」からの情報が得られます。
全通貨のスプレッドも狭い業者であり、スプレッドも概ね適正。NZドル円は取引できないものの、こちらもメインで使える業者と判断しています。
安い手数料で外貨が手に入る業者
FX取引の本質とはズレていますが、FX業者によっては外貨を現物で受け取ることが出来ます。このメリットは海外旅行などで外貨が必要になった場合の両替手数料が節約できることです。
なおFX口座からの外貨出金をコンバージョンと言います。
よく、ドルなら銀行より、大黒屋(などの金券ショップ)が安いとか、マイナー通貨は現地で両替しろとかtipsが言われますが、FX会社を通じた両替はそんなレベルの安さではありません。
銀行でも金券屋でも、数円単位の両替手数料とスプレッドを取られますが、FX口座から外貨で出金(コンバージョン)すれば、激安で両替可能です(具体的にいくらかかるかは、銀行口座からおろすか、海外ATMで引き出すかなどパターンごとに分かれるため一概に言えない)。
総合ランキング
最後に結局どこがいいのってランキングをつけたいって思います。しかし、これまで明らかに使えない業者は載せないで来ているので、掲載FX口座はどこも一長一短です。これまで挙げた特徴を踏まえて、個々人の事情に合わせて選んでくださいっていうのが本音ですが、一応留保条件付きでランキング形式を採用します。
1位:最大手の安心感と多くの通貨で最狭スプレッドのDMM
多くの人から支持されていて、スプレッド、スワップ金利ともに競争力が高い業者ということで、DMM FXを首位に挙げることにしました。
欠点はトレール注文(指値を有利な方向に移動(追跡)してくれる注文)がないことかな。
口座開設のキャッシュバックが2万円と高いことも魅力。
2位:ドル円スプレッドが狭く、株式口座との親和性も高いSBI FX
急にこれまで出してこなかった要素を出してしまいましたが、株式口座ではほぼ一強のSBI証券。その証券口座とFX口座の資金移動が簡単なことを評価して2位にしました。
逆指値(ストップロス)、OCO、IFD、IFO、トレール注文などの特殊注文に対応しており、発注方法も多彩。欠点はMac対応がないことくらいか。
株式投資が好きなわたしの主観が強いかもしれません。
3位:豪ドル円のスプレッドに強みがあり、外貨出金で旅行時の手数料も節約できるインヴァスト証券
海外旅行時の両替手数料を節約したいってニーズは結構あるかなって思ってインヴァスト証券を3位にしました。自己資本規制比率でみた会社の安定度も、実は高い。ここもトレール注文に対応してくれていないのが少し残念ではありますが。
キャッシュバック1万円も魅力的。
以上です。総合ランキングもいいですが、ご自分のスタイルにあった口座を探してみても楽しいかもしれませんね。