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 認知症になると、何もわからなくなる。そう思われてきたが、認識は変わりつつある。認知症の人たちが自らの思いを国や自治体に届ける動きが出てきた。その声を聞いて街づくりに生かそうとする取り組みも始まっている。

 認知症の人たちが中心メンバーの「日本認知症ワーキンググループ」は2月、「認知症の本人からの提案」を公表し、厚生労働省などに提出した。「認知症の施策や取り組みを企画する過程で、私たちの声や力を活(い)かして下さい。私たちと一緒に進めていきましょう」と自治体に要望するなどしている。

 同グループは一昨年に11人で発足。設立会見で共同代表の一人は「『何もわからない人、できない人』と見られる。自分たちの声で変えたい」と語った。