IS破壊の世界遺産パルミラ遺跡 最新の映像公開

IS破壊の世界遺産パルミラ遺跡 最新の映像公開
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シリアの世界遺産都市パルミラで、政府軍が過激派組織IS=イスラミックステートからの奪還作戦を続けるなか、遺跡の最新の映像が公開され、貴重な文化遺産が大きな被害を受けていることが改めて確認されました。
シリア中部のパルミラ遺跡は、去年5月にISに制圧されて以降、古代ローマ時代に建てられた神殿や墓が次々に破壊されていて、シリアの国営メディアによりますと政府軍は25日、パルミラの一部の地域を取り戻し、全域の奪還に向けて攻勢を強めています。
こうしたなか、ロシアの国営テレビは25日、無人機ドローンを使ってパルミラ遺跡を上空から撮影した最新の映像を公開しました。
映像からは、円形劇場や浴場などは残っているものの、全宇宙の神を祭る施設として1世紀ごろに建てられた、パルミラ遺跡を代表する建築物のベル神殿が一部を残してほとんど破壊され、破片が散らばっている様子がうかがえ、貴重な文化遺産が大きな被害を受けていることが改めて確認されました。
長年パルミラ遺跡の発掘調査を行ってきた奈良県立橿原考古学研究所の元副所長、西藤清秀さんは、「ベル神殿は思った以上に徹底的に破壊されていて、文化、宗教などの面で大きな損失だ。パルミラがISから解放されれば、遺跡の被害調査などにも協力していきたい」と話していました。