ベルギー連続テロ 逮捕の男は空港から逃走の容疑者か

ベルギー連続テロ 逮捕の男は空港から逃走の容疑者か
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ベルギーの連続テロ事件で地元メディアは、事件の2日後に逮捕された男が自爆テロがあった空港から逃走した容疑者である可能性が高いと伝えており、捜査当局が男と事件との関わりについて調べを急いでいるものとみられます。
ベルギーのブリュッセルで22日、空港と地下鉄の駅で起きた連続テロ事件について、ベルギーの保健機関は26日、最新の死傷者の数を発表し、死亡した31人について、自爆した3人が含まれることや、少なくとも8か国の外国人がいたことを明らかにしました。
また、けが人は、治療に当たっている30か所余りの病院からの報告で、当初の発表より大幅に多いおよそ340人に上っているということです。この中に日本人2人も含まれています。
一方、捜査当局は26日、事件の2日後にブリュッセル北部で行った家宅捜索で逮捕した男を、テロ組織に加わって殺人に関与した疑いで取り調べていることを明らかにしました。
複数の地元メディアはこの男について、フェサル・シェフという名前で、自爆テロが起きたあと空港から逃走し、捜査当局が行方を追っていた容疑者だと伝えています。
容疑者は事件の直前、空港の監視カメラに自爆した2人の男と一緒に写っていて、事件当日、3人を空港まで送ったタクシーの運転手は男がこのうちの1人に似ていると話しているということです。ただ、捜査当局は、男の身元などについて言及を避けています。
今回の事件では実行犯とされる3人が死亡しているため、逃走中の容疑者の身柄の確保が事件の全容解明の鍵を握るだけに、捜査当局は男と事件との関わりの有無について調べを急いでいるものとみられます。

追悼集会が中止に

ブリュッセルでは、日曜日の27日に連続テロ事件の犠牲者を追悼しようと、中心部にある広場で大規模な集会が呼びかけられました。
しかし、この集会についてベルギーのヤンボン内相らは26日、記者会見を開き、「高い警戒レベルを続けており、集会の警備よりも事件の捜査を優先したい」として中止を求めました。これを受けて主催者側も「市民の安全が確保できない」として、急きょ中止することを決めました。
捜査当局は連日、各地で家宅捜索を行うなどしていますが、地下鉄の駅で自爆した容疑者と事件の直前に接触していた男の行方が今も分からないなど事件の全容がはっきりしないだけに、市内は依然として緊張が続いています。