2012年以降、新築マンションの分譲皆無の状態が続く秋田県で、15階建て物件の建設計画があることが25日、分かった。予定地は秋田市中心部で、着工時期でみると、10年以来およそ6年ぶりとなる。
【過去5年間】東北6県の分譲マンション着工戸数
15年末まで6年間のマンション着工ゼロは全国で秋田県のみ。全国最速で進む人口減、全国的な建築費高騰による開発意欲の低下で供給ストップが続いたことから、不動産関係者は「需要が蓄積してきたと、事業者が判断できる状況になってきた」と指摘する。
予定地はJR秋田駅から約1キロの秋田市中通3丁目。建築計画によると、約1200平方メートルの敷地に鉄筋コンクリート15階の建物(56戸)を建設する。着工は4月、完成は17年10月の予定で、不動産会社のタカラレーベン(東京)と子会社タカラレーベン東北(仙台市)が共同で手掛ける。
タカラレーベン東北の担当者は「新年度に着工予定だが、時期は4月からずれる可能性がある」と説明する。
秋田市内ではこのほか、地元業者も秋田駅から約1.2キロの南通亀の町に鉄筋コンクリート14階のマンション(58戸、敷地2500平方メートル)を計画する。工期は16年7月~18年2月末となっている。
マンション開発に詳しい地元関係者は「年を取り一戸建てを持て余している人や子どものいない共働き家庭など、駅や医療機関に近い中心部の新築物件が欲しい人は一定数いる」と需要はあるとみている。