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失言校長 匿名の傷ついた生徒「本当はいないんじゃないか」

週刊女性PRIME 3月23日(水)16時0分配信

 大阪市鶴見区にある市立茨田北中学校の寺井壽男(ひさお)校長の「女性にとって最も大切なのは子どもを2人以上産むことです。これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります」という発言が波紋を呼んでいる。

 寺井校長はどう考えているのか。発言の真意を聞くため校長室を訪ねると、「激励の電話がいっぱい来ている」と、送られてきた意見書を見せてくれた。賛同意見より、抗議のほうが若干多いように映った。

 これを読んでほしいと2枚の紙を渡された。

「読んでもらえばわかります」

 それは校長発言が問題視されたあと、校長が憤懣やるかたない胸中をつづったもの。生徒に向けて、教頭に全校集会で代読するよう頼んだメモだった。

「読んでいただけました? “117名の女子生徒も全員が澄んだ瞳で、さわやかに証書を受け取りました”との一文があるでしょう。この意味がわかりますか?」

 今月11日にあったばかりの卒業式のことだという。この一文の意味について校長は、こう話す。

「卒業証書を渡すとき、しっかり目を見て受け取るように教えています。私は生活指導をしていましたから些細な仕草でわかるんです。私が証書を渡すときに目を背けたり、私を嫌っているようなそぶりをする子はひとりもいなかった。

 女優のような子ならわかりませんけどね。そもそも本当はいないんじゃないのか。職員が知人の女性に頼んで、市教委に連絡したのではないかとも考えています」

 なんと匿名の訴えが部下の“やらせ”であるという強引な主張。生徒が身元を明かして校長に意見することがどんなに大変なことなのかもわからないようだ。校長は、ふだんの全校集会では、ほかにどのような話をするのか続けた。

「全校集会での講話は年間を通して聞いてもらえば問題ないはずです。女性の権利の回復についても順を追って数回に分けて話していますよ」

 子育て後の大学進学の難しさや、子どもを育てる経済的困難がある状況を指摘すると、

「確かに厳しいでしょうね。私が全校集会で話したのは、究極の選択としてどちらかというなら出産を、という意味です。本音ではどちらもしてほしいと思っています。日本の中絶件数は年間約20万件です。

 中絶をすべて禁止したら人口減少に歯止めがかけられます。望まない妊娠で生まれた子を保護し、社会参加させる仕組みづくりが必要です」

 生徒に向けた校長のメモにはこんな一文。

《頑固な性格の校長先生ですが、子どもを中心に考え、判断しますので、子どもが傷ついているのに自分の主張を変えないということは全くありません》

 ならばまず、子どもの気持ちを第一に考えるべきではないだろうか? 生徒と同じ目線に立ち、生徒の身になって考える大切さを思い出してほしい。

最終更新:3月23日(水)16時1分

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