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【経済】

電気のもと 公表わずか3割 来月自由化 首都圏参入業者を本紙調査

 家庭も自由に電力会社を選べる四月からの電力の小売り全面自由化で、首都圏で参入する事業者のうち、調達する電力の「電源構成」を公表しているのは三割にとどまっていることが本紙の調査で分かった。電源構成は原子力や、再生可能エネルギーなど各電源からどんな比率で電力調達しているかを示すもので、消費者が電力を選ぶ際の重要な材料。一段の開示が課題となっている。 (岸本拓也)

 本紙の調べでは、自由化を一週間後に控えた二十四日時点で、国に小売りの事業登録をしている二百六十三社(既存の電力会社を含む)のうち、首都圏(東京電力管内)で四月から実際に小売りに参入すると表明しているのは東電を除くと三十九社に上る。

 これらの事業者がホームページなど消費者がみられる形で、電源構成を公表しているか調べたところ、同日時点で開示していたのはJXエネルギー(再生エネ12%、液化天然ガス41%など)やソフトバンク(再生エネ57%など)など十一社だけだった。三社は三月中に開示する方針。残る二十五社は開示せず、開示時期も明記していなかった。

 政府は日本全体の電源構成について、太陽光、風力など再生エネの比率を二〇一〇年度時点の10%から、三〇年度に22〜24%まで高める方針。比率拡大のためには再生エネを選ぶ消費者が増え、発電設備増強による供給量拡大の効果で料金が割安になる好循環をつくることが前提になる。

 電力自由化が進む欧米では開示を義務化している国が主流。消費者団体などは国に開示の義務づけを求めていたが、経済産業省は指針で「開示が望ましい」とするにとどめた。義務化を見送った理由を同省は「中小事業者に事務負担になる」などとしている。

 だが、努力要請だけでは実際に開示が進んでいないことから、開示強化を求める声が高まりそうだ。政府内でも河野太郎消費者相は「消費者の選択が社会を変えていく観点から、開示は絶対必要と経産省に伝えている」と指摘する。

 消費生活アドバイザー・辰巳菊子氏も「電源公表は、消費者が『良いもの』を選ぶための重要な条件となる。消費者側が声を上げ、事業者に開示を求めることも大切だ」と話している。

<電源構成> 電力会社がどんな電源に依存しているかの比率。国の指針は、電力小売りに参入する会社は前年度の販売実績の各電源ごとの構成比率か、当年度一年間を通して計画する電力の構成比率を公表することが「望ましい」としている。欧州連合(EU)各国や米国の自由化している州では、開示が義務付けられている。

(東京新聞)

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