こんにちは、錠前(@jomae_yasushi)です。
今日は、絶対的な自信をもってオススメできる日本映画4本をご紹介
本当はベスト5にしたかったんだけど、DVDを買って定期的に見返している映画となるとこの4本で、そこまで好きじゃない映画を無理矢理加えることもないな、と4選にしてみました。
どれもこれも女優さんの立ち居振る舞いや台詞回しが美しくて、 うっとりできます。
前置きはこのくらいにして早速まいりましょ〜
※この記事はネタバレを含みます
①『しとやかな獣』(監督:川島雄三)
ひと皮むけば男も女もこんなもの 私はそこをうまく利用したまでよ!
●川島雄三×若尾文子若尾文子の演技、新藤兼人の脚本が評価される日本映画の名作!
●団地の一室を舞台にドライでエゴイスティックな人間群像を描く異色作。
父親の勧めで息子は横領、娘は愛人稼業に励む一家に、若尾文子演じる知的な悪女・幸枝が絡む。
【ストーリー】
芸能プロ会計係の幸枝は、美しい肉体をエサに男たちから金を巻き上げるしたたかな女。
彼女に接した男たちはみな彼女に翻弄されていく。
〔Amazon「商品の説明」より一部抜粋〕
他人から巧妙に奪い取ったお金で贅沢な暮らしをしている四人家族が、金の回収に来る者たちを言葉巧みに次々と撃退していく様が爽快な本作。
いちばんの見どころは小気味いいテンポで繰り広げられる会話の数々で、団地の一室の中だけで完結するカメラワークも相俟って、さながら舞台演劇のよう。台詞の掛け合いを眺めているだけで楽しく、会話聞きたさについ何度もリピートしてしまいます。。
一家の長男から金を巻き上げた悪女として登場する若尾文子もしっかり捲し立てるように喋ってくれて、その美しさは圧巻の一言。
なおいちばんスゲェのは山岡久乃演じる一家の母で、散々悪行を重ねておきながら澄まし顔で「物事をむき出しにしてはいけません」なんて息子をたしなめて憚らない厚かましさが、最高にイカす。
② 『卍』(監督:増村保造)
性の享楽か、性の破滅か!大谷崎文学だけに許された異様な世界の生々しい画像!
●谷崎潤一郎の原作を得て、当時タブー視されていた女性同士の愛を瑞々しく描いた傑作!!
【ストーリー】
弁護士の妻・柿内園子は、美術学校で出会った若き令嬢・徳光光子に恋心を描いていた。
学校内で同性愛の疑いを掛けられた二人は、それがきっかけでかえって仲良くなる。
〔Amazon「商品の説明」より一部抜粋〕
関西の裕福な家の娘2人を中心に、ドロドロとした愛憎劇が描かれる谷崎潤一郎『卍』。映像化作品は数あれど、その妖しくも美しい世界観をいちばんに表現しているのは、増村版ではないでしょうか。
阪神間モダニズムが生んだ2人のワガママな金持ち娘。彼女らの放つ優美な上方言葉と狂信的なまでのやり取りは、息をするのも忘れて見入ってしまうほど。光子を演じる若尾文子の美しさを心ゆくまで堪能できるのが最大の魅力だと思います。
加えて特筆すべきは、光子に対して狂信的な愛を捧げる園子役・岸田今日子の怪演でしょう。光子の裸体を前に「あんた、こんな綺麗な体してたんか……」と嘆息する場面は見ものです。
③『細雪』(監督:市川崑)
【あらすじ】
昭和13年。戦争の足音が近づく大阪・船場の名家薪岡家の四姉妹は、三女雪子の縁談の話や四女妙子の奔放な言動など、何かと騒々しい日々を送っていた。
そんな折り、長女鶴子の夫、辰雄が勤め先の銀行から東京転勤の辞令を受ける。
春の1日、京の桜の下で遊んだ四姉妹に別れの日が近づく…。
〔Amazon「商品の説明」より一部抜粋〕
こちらも言わずと知れた小説・谷崎潤一郎『細雪』の実写化です。大阪・船場の名家の四姉妹を中心に、阪神間モダニズム当時のお金持ちの日常生活が描かれます。
注目すべきは、その穏やかな美しさ。BGMのように映像を流しておけば、部屋の空気が浄化されるのではないか、と錯覚してしまうほどの澄み切った美しさがそこにはあります。ストーリーを楽しむというよりも、ただただその世界の空気感を堪能するために観るもの、といった趣きです。
観賞後は阪急電車に飛び乗って桜を見に行きたい衝動に駆られること間違いなし、な本作。淀んだ心を浄化するための装置として、一家に一本常備しておきたい勢いなのです。
④『櫻の園』(監督:中原俊)
【あらすじ】
何千回 何万回と「好き」と「嫌い」をくりかえして
恒例の演劇部公演「櫻の園」をあと2時間後に控えた私立櫻華学園。ところが、3年生の杉山紀子が喫茶店で他校の生徒と煙草を吸って補導されたことから、部員たちの間では上演中止の噂が飛び交い始める。しかし、演劇部顧問の里見先生の活躍でどうにか最悪の事態は回避された。ほっと胸をおろす部員たちだが、主役の倉田知世子だけは緊張感を抑えられない。そんな彼女に憧憬の念を抱く部長の志水、そしてその志水に好意を抱く杉山。さまざまな想いを胸に、少女たちは開幕の瞬間を待つ。
〔Amazon「商品の説明」より一部抜粋〕
ある女子校を舞台に、「櫻の園(チェーホフ)」の公演をすぐ後に控えた演劇部の少女たちの、ほんの2時間足らずを切り取った作品です。吉田秋生の原作とは構成が大きく異なりますが、原作のもつ空気感が上手く描かれています。
いちばんの見どころは女子校やそこに通う女生徒たちのリアルな瑞々しさを、ばっちり捉えているところだと思います。秘密の花園を覗き見している気分。残念ながらオカマゆえ女子校に通ったことはないのですが、ああ、こんな感じなんだろうなぁ…と妙に納得してしまいました。
思春期の宝石箱のような時空間が詰まった『櫻の園』。映像を眺めればいつでもそこに立ち返ることができるって、最高にステキじゃありません?
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以上、女優さんの美しさをこれでもかと堪能できるオススメの日本映画を紹介しましたが、いかがだったでしょうか??
上記4作はいずれも1回観ておしまい、ということはなくて、作品世界に触れていたいがために繰り返し何度も観ることのできる、そんな価値のある映像作品です。
今はいずれも廉価版が販売されていて、リーズナブルに手に入れることができるみたいですね。いい時代になったもんだ。
思わずDVDが欲しくなる名作揃いなので、気になる作品があれば、初めはまずレンタルででもご覧いただければ幸いです。自信をもってオススメします。
それでは今日はこのへんで。
さよ~
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