構成・吉田純哉
2016年3月26日19時02分
新サッカースタジアムの建設地を巡り、サンフレッチェ広島が今月、旧広島市民球場跡地(広島市中区)に建設する独自案を公表した。県や広島市などは、これまで広島みなと公園(南区)を「優位」としており、意見の違いが浮き彫りになっている。シーズンオフのイベントでも、新スタジアムの意義を訴えてきた森保一監督(47)に思いを聞いた。
――建設候補地が二つ挙がっている。
アクセスが良く、人が集まりやすい市民球場跡地に作っていただきたい。クラブの久保会長(允誉)が言うように、みなと公園では借入金が負担になり、経営が成り立たない。
――現在、エディオンスタジアム(安佐南区)を本拠としている。どうして移転が必要なのか。
昨年12月のチャンピオンシップ(CS)では、観客が帰りの公共交通機関に乗るまでに1時間以上かかった。疲労困憊(こんぱい)になった人がもう一度来てくれるのか。少ない駐車場に止めるために、早く来ないといけない状況もある。イベントや出店など楽しめる工夫をしているけど、街中にあれば、元々ある店を使ってもらえる。
――サッカー(球技)専用スタジアムの利点は。
陸上トラックがないと、スタンドとピッチの距離が近くなり、迫力、スピード感が全く違う。ボールを蹴る音や選手の叫び声までも聞こえる。選手もスタンドから力をもらい、負け試合が引き分けになったりする。2002、03年に専用スタジアムを持つベガルタ仙台でプレーした時の臨場感は忘れられない。体が勝手に動く感覚があった。
――14年夏、サッカーのオフシーズンにドイツ、スイスを視察した。
欧州で思ったのが、スタジアムは競技をするだけの場所ではなく、にぎわいの場。ローリングストーンズなどのコンサート会場に使われ、中の部屋も会議や誕生会、料理教室などに貸し出している。アクセスのいい中心部にあり、街の財産だと聞きました。
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