若松聡、磯崎こず恵 上地兼太郎
2016年3月26日20時31分
26日に開業した北海道新幹線は、世界最長の海底トンネルを走る。青函トンネルの工事に関わった人たちは、念願だった開業を感慨深く迎えた。トンネル内の避難設備を充実させるなど、JR北海道は安全対策にも力を入れる。
「ようやく夢がかなった。長かった」。26日朝、北海道知内(しりうち)町の展望台を訪れた角谷(かどや)敏雄さん(81)は、本州からの下り一番列車を見て、涙した。
1965年、旧日本鉄道建設公団に入り、青函トンネルの掘削工事に携わった。気温30度超、湿度は90%を超える息苦しい作業場。落盤や出水に作業は何度も阻まれた。着工から24年かけて88年に開通。事故で作業員34人が死亡した。
「北海道に新幹線を迎えよう」が同僚との合言葉だった。この10年余り、青函トンネル記念館(福島町)のボランティアガイドとして、来館者に「トンネルマンが抱えてきた苦しさや悲しさの上に新幹線があるんです」と伝えてきた。
自身もじん肺や難聴の後遺症がある。事故で親しかった同僚3人を亡くした。「ようやくみんなの苦労が実ったよと伝えたい」
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朝日新聞社会部
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