2016-03-26

専門医制度日本内科崩壊する

専門医制度2017年から動き始めるのか、延期されるのか、注目している。

専門医制度日本内科医療は確実に崩壊すると思っているからだ。

今のローテーション2年からまさかのローテーション5年という、アホみたいな制度もの

しがない内科医だが、新専門医制度に反対する理由をここに書かせてほしい。

1. 内科医師の貴重な20代を、ローテーションに費やされる。

ローテーターというのははっきり言ってその科にとってはお客様だ。お客様希望の科でないところではそんなに真面目に研修しないし、教えるほうもそんなに真剣には教えない。だって循環器内科胃カメラをする必要はないもの。将来消化器内科にならない医師に、患者さんだって胃カメラはされたくないだろう(てか危険だよ)。そういう話だ。初期研修2年のローテートはある程度意味があると思っているが、新専門医プラス3年は、正直時間をドブに捨てているようなものだ。

2. ローテート中の医師生活難にあえぐ。

上に述べたように、ローテーターたちは病院にとって、専門としてはなんの戦力にもならない医師たちである。せいぜい当直を回すコマだ。そういう戦力にならない医師を雇うお金、そんなに病院は持っていない。特に大学病院のように人が多いところはなおさらである

驚くべきことに、大学病院のローテーターたちは、「大学院に籍を置きながらローテートしていく」という制度をとるところが多いという。つまり、「大学病院からお金は出ず、週に1-2回のバイトで食いつなぎながらなおかつ大学院学費を払う」はめになるのだ。働くためにお金を収めるとかバカじゃないかと思う。

3. 研修医外科マイナーに逃げる。

そもそも5年のローテート終わった時点でストレートに行って29歳だ。5年やってぼやっとした内科資格しかとれない。てか、あらゆる内科をローテートしてあらゆる内科をろくに見れない医師がわんさかできる訳だ。女医場合、そろそろ妊娠出産したい時期だが、ここで妊娠出産したら、確実に復帰ができなくなる。なぜならなんの専門もないからだ。資格なくても診れる、ならまだマシだが、専門的な指導を受けてないから診られない。そりゃあ皮膚科眼科に逃げますよ。マイナーももちろん資格取得・維持が難しいのだが、別に資格なくてもちゃんと診られればよいのだもの

男性も、5年ローテートしてそろそろ家庭を・・・てそんな気になるだろうか?まだなんも診られないのに。そもそも30代にもなってやっと専門て・・・人間年をとるに従って動けなくなるし、学習も出来なくなるのだ。バリバリに働けるのなんて、せいぜい40代まで・・・。そんな働ける貴重な3年をドブに捨てろといってるもんなのだ、今回の新制度は。そりゃあ外科マイナーにいって早く一人前になりたいはずだ。

4. 内科指導医疲弊する。

指導医がまた大変である。1ヶ月に一回ローテーターに面談したりとかレポートを提出したりとか・・・どんだけパソコン作業させる気なのだ。この大変な業務をタダでしろとか、なんなの?なめてるの?て感じだ。で、今は研修医自分の科の後輩だけ教えてれば良かったのが、研修医+ローテーター+後輩と、教える手間が1.5倍になるのだ。

もうやる気ナッシングしか言いようがない。

5. 内科医療レベル、激下がり。

ちなみに新専門医制度はローテーターに専門外来義務付けている。専門の内科って、一般入院より外来の方が難しい。

なぜなら、修正が効きにくいし、時間も限られているからだ。

将来全然違う科に行くペーペー医師専門外来させるのか?1日に数十人の外来を診る中、十分な指導ができるとも思えず、なんともはや・・・である

6. 結論。新専門医制度内科医は激減し、残った内科医疲弊する。

でもって、みんな専門に行くのが遅くなるので大学院進学や留学は減るし、当然のことながら研究成果も上がらなくなるだろう。

強いては日本内科レベルは落ちまくると予想する。

あと、地方病院は確実に死ぬ

という訳で、今回の新専門医制度内科だけでもどうか延期してほしい。

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