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【香港反中書店失踪】
銅鑼湾書店が閉店へ 香港に一時戻った株主男性「でたらめな書籍は言論の自由と関係ない」中国当局への刺激避け…
【北京=矢板明夫】中国共産党体制を批判する書籍を出版、販売する香港の銅鑼湾書店の関係者5人が連続して失踪した事件で、24日に香港に戻った同書店の株主、李波氏は、書店が閉鎖される公算が大きいことを明らかにした。複数の香港メディアが26日伝えた。共産党指導者を批判する書籍を取り扱ってきたことについて、李氏は「責任を感じている」などと語った。
李氏は25日午前、自宅の前で記者団に対し「過去を忘れて、新しい人生を歩みたい。これから取材に応じるつもりはない」と語った。李氏が香港に滞在したのは24時間足らずで、25日に再び中国本土に戻った。迎えに来た男性と一緒に車に乗り込み、広東省方向に向かったという。
香港滞在中、李氏は、中国当局を刺激する言葉を慎み、慎重に振る舞っていた。香港に到着した直後、李氏は地元警察に対し、自分に関する失踪事件の捜査を中止することを要求したという。その後、中国系香港メディア、フェニックステレビに出演し、「自分は拉致されたわけではなく、捜査協力のため、自らの意思で中国に渡った」と繰り返し強調した。中国本土で約3カ月間も滞在した感想としては、「経済が発展し強くなった祖国を見た。中国人としての誇りを感じた」と述べた。