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 東北大学などが27日、東日本大震災で津波をかぶり、住宅の跡地が広がる仙台市東部の荒浜地区で、車の自動運転の実証実験をする。過疎地での移動手段の確保や、災害時の避難に活用できないか方法を探る。

 約800世帯が暮らしていた荒浜地区は震災で高さ10メートルほどの津波に襲われ、土台を残して住宅も流された。住まいを新たに建てられない災害危険区域に指定され、視界を遮るものはない。工事のトラックが時折、行き来する程度だ。

 東北大学未来科学技術共同研究センターは、この場所を使い、開発した1人乗り小型電気自動車を走らせる。全地球測位システム(GPS)や360度全方位カメラなどで車の位置を正確に割り出し、決められたルートに沿って時速10~15キロで走る。加速、ブレーキ制動、ハンドル操作は自動で、緊急時にのみ運転手が操作する。