「黄金伝説」展
2016年4月1日〜5月29日
愛知県美術館
社会お帰りなさい名松線 6年半ぶり全線復旧2009年の台風被害で不通となっていた津市のJR名松線家城(いえき)―伊勢奥津(おきつ)(17・7キロ)が26日、6年半ぶりに復旧し、運転を再開した。不通区間だった津市美杉地区の過疎化などから一時は廃線に傾きかけたが、存続を願う地元の熱意が実った形。「沿線が活気を取り戻す再スタートだ」。この日を待ち望んだ住民らは、再び走りだした列車に地域再生の姿を重ねた。 名松線は松阪(三重県松阪市)と伊勢奥津(津市美杉町)を結ぶ43・5キロのローカル鉄道。09年10月の台風18号で線路に土砂が流入し、全線不通となった。JR東海は1週間後に松阪―家城(津市白山町)の運転を再開したが、家城―伊勢奥津は不通のままで代替バスを運行。「復旧しても安全が確保できない」として、地元側に廃止を提案した。 住民らは11万6千人分の署名を集め、存続を要望。同社は11年5月、三重県、津市と協定を結び、県が治山工事、津市が水路整備、JR東海が鉄道施設の復旧工事をそれぞれする形で総額約17億円を分担。13年5月から復旧工事を進め、今年2月に完了した。 この日は午前9時35分に松阪行の一番列車が伊勢奥津駅を出発。神戸市から津市美杉町に帰省していた大学生藤田菜那さん(19)は「小学生のころ、おばあちゃんと一緒に乗って以来。久しぶりなのでわくわくする」と笑顔をみせた。 駅前で開かれた記念式典では、JR東海の柘植康英社長が「工事は完了したが本当の復旧はこれから。多くの人に乗ってもらい、しっかりと運営することで生き生きとよみがえらせたい」とあいさつした。 沿線の過疎化は深刻で、今後の乗客確保には困難が予想される。地元住民らで結成し、署名活動などに取り組んだ「名松線を守る会」の赤堀嘉夫会長(71)は「再び列車の走る姿を見られて本当にうれしいが、これからが正念場」と話した。 <名松線> 1929(昭和4)年、三重県松阪市の松阪−権現前が開業。その後延伸し、35年に伊勢奥津まで開業した。非電化の単線で、線名は同県名張市と松阪市を結ぶ計画だったことに由来する。JR東海によると、不通となっていた家城−伊勢奥津の2008年の乗客数は1日平均90人。 (中日新聞)
PR情報
|
|
Search | 検索