被災の小学校 142年の歴史に幕 仙台

被災の小学校 142年の歴史に幕 仙台
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東日本大震災の津波で大きな被害を受けた仙台市の海沿いの小学校が閉校となり、142年の歴史に幕を閉じました。
明治6年に創立された仙台市宮城野区の中野小学校は、震災の津波が校舎の2階にまで押し寄せましたが、児童や避難した地元の人などおよそ600人は全員が屋上に上がり無事でした。しかし、校舎は大きく壊れ、周辺が災害危険区域に指定されたことなどから、今年度かぎりで閉校することになりました。
26日、子どもたちが間借りして授業を受けている区内の別の小学校で閉校式が行われ、三塚修校長が「中野小学校は歴史に幕を下ろすことになるが、友だちや先生との思い出は消えることなく生き続ける。新しい学校に行っても小学校やふるさとのすばらしさを伝えてほしい」とあいさつしました。そして、子どもたちが「震災から5年、たくさんの人たちからの励ましで大きく成長することができました」などと感謝のことばを述べました。
小学校によりますと、中野小学校の児童は、来月からは市内の7つの学校に別れるということです。5年生の男の子は「学校がなくなってしまうのはすごくさみしいです」と話していました。親子3代でこの小学校に通っていたという60代の女性は「閉校は震災の影響なのでやり場のない悔しさがあります」と話していました。