いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 2016年1月18日(月)夜9時スタート 初回15分拡大放送

2015.12.24.Thu Update インタビュー#1 杉原 音役 有村 架純さん

今回の企画を聞いた時の率直なお気持ちは?
主演ということで、周りの方からは何か反響がありましたか?

女優になりたいと思い始めたときから「いつか月9の主演をやりたい」と思っていたんですが、私の中では、それが本当に叶うのかな、と思っていたので、まさか本当にやらせていただけることになるなんて思ってもいませんでした。ことし、WOWOWで初めて連ドラの主演をやらせていただいたんですけど、撮影は1ヵ月くらいだったんです。なので、3ヵ月間主演でやらせていただくというのは初めての経験なので、「どんなことが待っているのかな?」という緊張とか不安はあります。私はデビューしてまだたった5年で、新人ではないけれど、まだまだ勉強しなきゃいけない時なので、そんなときにこの作品に出会えたということは、すごくありがたいお話だなと思っています。今の私は音から学ぶべきことがたくさんあるし、今だから感じられることがあるのではという風にも思っています。というのも、初めて台本を読んで音に初めて触れた時に、なくしかけていた自分の中の何かを取り戻せた気がしたんです。その時、「あ、音ちゃん凄い!」って思ったんです。
周りの人…家族からは、「次、どんな作品があるの?」って聞かれたので「月9の主演をやらせてもらえることになった」って言ったら、驚いてあまり言葉になっていなくて(笑)。でも、「あなたなら絶対大丈夫だから!」って背中を押してくれて、楽しみにしてくれています。

台本を読んで“取り戻したもの”とは?

「音は、何を生きるエネルギーとして持っているんだろう?」と考えたときに、最初に出てきた言葉が「感謝」という言葉でした。「音ちゃんは、感謝をするっていう気持ちを強く持っている子なんだな」って思ったんです。そのときに、果たして私は100%の真っ直ぐな気持ちで物事を見ることができているのか、と考えて立ち止まってしまったんです。経験を重ねていくと、いろんなことが見えてきて、どうしても純粋に物事を正面から見られなくなってしまうのかなって…。そういう風に物事を見ている自分は、いま考えると、凄く自分自身がしんどかったなって思うんです。そのころの写真とかその表情を見ると、「何か私じゃないような気がするな…」ってずっと思ってたんです。だけど、「自分の意思が強くなった分、表情も強くなったりしていくものなのかな?」「気持ちが変わったからこうなったのかな?」って思っていたんですけど、それって多分、良い方向には変わっていなかったと思うんです。音は、正面から物事をしっかり受け止め、100%の気持ちで応える。そして携わった全てのことに素直に感謝できるんです。そんな音に出会って、凄く楽になったというか、自分から抜けたものがあったことに気付けて…。「ようやく自分が帰ってきた!」ってマネージャーさんにも言ったくらいなんですけど、ホントにもう、その言葉の通り、やっと戻ってこられたな、という感覚がありました。

ドラマの登場人物たちと同じように、有村さんも兵庫から
上京してきたわけですよね?
その中で何か不便に感じたことはありましたか?

上京してから、「標準語に直さなきゃいけない」と思ってずっとしゃべってきたんですけど、やっぱり1枚何か着ているような不自然さみたいなものはありました。100%の自分ではない感覚は凄くわかるな、と思ったんです。やっぱり、関西弁の人が近くにいると安心するし、自然と自分も関西弁になってるし。だから、そういうちょっとした自分の中の感覚は台本を読みながらもわかるな、って思いました。ちょっと心を開いている人に対しては関西弁が出たりするので。自分の心の声っていつも関西弁ですし、その関西弁を頭の中で標準語に直してからしゃべってるような感じがあったので、上京したての頃は、全然感情が乗せられなかったですし。めちゃくちゃ可愛いものを見て「すっごい可愛い!!」って思っているのに、「凄い可愛いね」みたいな、棒読みになっちゃうような感じはありました(笑)。

東京の好きなところ、地元の好きなところは?

東京の好きなところは……たくさんお店があるところ。目で見ても楽しめる(笑)。自分の地元で好きなところは、やっぱり緑が多いところ。東京にも緑はありますけど、何かまた違った自然がたくさんあって、時間がゆっくり感じます。

東京で生きていく上で必要だと思うことは?

人混みに埋もれないように力強く歩くこと(笑)。大阪に出るときも同じような感じなんですけど、やっぱり「人が多いな」っていう印象が強くて、気を緩めると人混みに流されていっちゃうというのはあります。

慣れるのに時間がかかりましたか?

自分の好きな場所っていうのはいまだにないですね。「好きな場所ありますか?」って聞かれても全然思い浮かばないです。

東京はお仕事をする場所、という感じでしょうか?

故郷は実家がある兵庫なので…。そうですね。私自身、遊ぶために上京してきたわけではないので、自然と切り替わっているんだと思います。その覚悟で上京してきたので。

そういう意味でも、このドラマの登場人物たちには
共感できる部分がたくさんあるのでは?

あります。音も、遊ぶために、都会が見たいために東京に出てきたわけでもないし、生きるか死ぬかの思いで来た場所なので…。

このドラマは、ラブストーリーですが、今の世の中を
切り取ったようなシリアスなお話でもあります。

人間味のある、っていうと他の作品が人間味がないみたいに聞こえるんですけど、台本を読んだ印象としては、地に足が付いているというか、そういう部分を凄く感じたので、「自分も一緒に生きたい!」という風に思いました。ただ私は、最初に読んだ時、「(シリアスだけど)全然暗い話ではない」と思ったんです。音として生きるんだったら全然暗い話じゃないかな、と。音は、自分の幸せを求めることだったり、いろんなことを押し殺してずっと過ごしてきたと思うんです。世間や他人から見たら、音の人生は辛いものかもしれないですが、本人にとってはそれが普通になっていて。その中でも、音はちょっとした楽しみや生き甲斐をちゃんと自分で見つけて生きているんです。だから音の境遇だけに捕われずに、音にとっての普通という観点で物語を見ることができたとき、それがわかったときに、凄くスッと入ってきたんです。

いままでとは違うラブストーリーになりそうな感覚はありますか?

ベタな感じの、分かりやすいものだと、「私もこういう恋、したい!」っていうのがあるんですけど、この作品はさりげないっていうか。ホントに…自然な流れで恋ができるというのが凄くいいな、ステキだな、と純粋に思いました。

ラブストーリーを演じるにあたって意識することは?

特にはないです。ただ、作品中はちゃんと相手を好きになる、という気持ちは大事にしています。高良健吾さんは、とっても真面目で、真っ直ぐな印象がありました。お芝居に対しても、「あれをやった」「自分はここまで役作りをしました」みたいな感じじゃなくて、ホントにただ純粋に、役に興味を持って、その役を120%知りたいっていう思いのある方なんじゃないかな、と思ったんです。だから、共演は凄く楽しみにしていました。

第1話の重要なアイテムとして、音が母親からもらった手紙が
出てきます。有村さんご自身は、大切にしている手紙がありますか?

おばあちゃんからのお手紙だったり、母親が書いてくれたお手紙だったり、上京するときに地元の友だちが書いてくれたお手紙だったりは、大事に持っています。ファンの方からもらったお手紙も大切に保管させてもらってます。お手紙と…22歳の誕生日のときに母が手作りのアルバムを作ってくれたので、それは何回も見てます。小さいときから順を追った作りで、「こんなに大きくなって!」みたいな気持ちになる、そういうアルバムを作ってくれました(笑)。

東京でお仕事をされている有村さんが支えにしているものは?

支えにしているものは、母親の言葉ですね。いつも「あんたが笑顔でいてくれてたらそれでいい」って私にも姉にも言ってくれるんです。その言葉で、楽しく過ごそうって思いますし、母の気持ちが嬉しいな、って思います。

撮影期間中、心がけたいと思っていることは?

私はみんなで気持ちをひとつにして過ごしたいので、みんなが同じ気持ちで最後のゴールに向かえるようにしたいな、というのが一番の気持ちです。無理はしてほしくないですけど、いい意味で、疲れたら「疲れた」って言っていい現場にしたいです(笑)。その方が、気持ち良い気がします。笑い飛ばせる、というか。みんなが我慢しちゃうと現場の雰囲気が悪くなってしまうと思うので(笑)。