

- 高畑さんから見た“チーム・いつ恋”はどのような印象ですか?
- お互いに尊敬し合っている現場だと思います。私自身は、同世代が集まる現場というのはあまり経験がないんですけど、今回のチームはそれぞれに強みがあって、相手を尊重し合っていて、カッコ良いなと思っています。
- 木穂子というキャラクターを実際に演じてみていかがでしたか?
「お色気担当」という発言もありましたが…。
- “お色気担当”って、たまたま完成披露試写会で言ってしまったことが広まっちゃっただけなんですけどね(笑)。お色気というよりはむしろ、闇の部分が大きいキャラクターです。私の周りにはいないタイプの人間ですし、演じていても吸い取られてしまうような感じはありました。
- 高畑さんとの共通点はまったくない?
- 5年前の木穂ちゃんとはまったくないですね(笑)。第2部になって5年経った木穂ちゃんは、人並みにポジティブに物事を考えることができるようになってきたので、共感できる部分、良いなと思える部分も出てきたんですけど…。あんな風に壊れちゃいそうなくらいに男性に頼ってしまうような部分は、ちょっと羨ましいなと思ったりもしました。
- 坂元裕二さんが当て書きした、という部分も話題になりました。
それを高畑さんご自身はどのように受け止めていましたか?
- 坂元さんからの挑戦状…なのかな(笑)。演じるというのはいつも難しいと思っていますし、「これで大丈夫かな?」とずっと考えているうちに終わってしまうこともあるんです。当て書きに関しては、“坂元さんが思い描く私”“坂元さんが思い描く誰々”ということなのかな、と最初は思っていたんですけど。そうじゃなくて、この役を当てたら一番輝くだろうな、ということなのかも、と思うようになりました。有村架純さんとか高良健吾さんとかは特にそうで。私に対しても、「じゃあ、こういう役を当ててみたらどうやるの?」みたいな、坂元さんのイタズラ心も見えたような気がしました(笑)。坂元さんは普段から不思議な角度で物事をとらえている方です。坂元さんの頭の中をのぞいてみたいと思う反面、知りたくないな、とも思います(笑)。ただ、前回の『問題のあるレストラン』のときもそうでしたけど、折角、こういう役をいただいたので、それに全力で立ち向かわなければ、と思っていました。
- 有村さん、高良さんと一緒にお芝居をされて、
印象に残っていることは?
- ふたりとも、真っ直ぐに、役にストンと乗っかる方たちだなと思いました。その真っ直ぐさが役にもリンクしていて。私の役はその真っ直ぐさが辛いわけですけど(笑)。ふたりが誠実で、いい意味で真面目で…というのが4カ月間ずっと崩れなかったからこういうチームになったんだろうな、と思います。
- 第2部からは有村さん演じる音と、木穂子の関係性も変わりますね。
- 実は、第2部からの関係性の方が難しかったです。第1部のときは、普段の有村さんとの関係性とはまったく違うので…。ひとりの男性を取り合ったこともないし(笑)。だから、お互いに役として対峙する、という感じだったんです。後半は、普段の私たちとは違う流れで仲良くなっているふたりだったから、いつもの感じとはまた違っていて…。深く仲が良い女優さんってそれほど多くないんですけど、こんなにもお腹がムズムズするような感じでお芝居をすることもそうそうないな、と思っていました(笑)。ちょっと照れますね。
- ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんに向けて、
メッセージをお願いします。
- 5年って、人を変えるのに十分な年月だと思うんです。私も5年前とは色々なことが変わったし。でも、5年経っても絶対に変わっていないところもあるわけで…。連続ドラマの中で、5年も年月を越えられるドラマもそうそうないですよね。私もいろいろな方から反響をもらっているんですけど、みんな思うところとか響くところがバラバラなんです。私たちは一生懸命撮っているだけで、どこに共感してもらっても、どこに心を動かしてもらっても良いと思っているんです。見てくれた方それぞれの感性で、自由に楽しめる作品だと思います。
- 第1部の最後、あまりにも変わってしまった練の姿を見て
ビックリされた方も多かったようです。
- そうなりますよね。私もビックリしました(笑)。でも、そんな風に見てくれる方たちを裏切っていきたいという思いはあるんです。第1話から賛否両論あって、いろんな人のいろんな意見が聞こえてきて。ドラマって、「いいね」って思ってもらえるように作る作品、安全な領域で作る作品もありますけど、このドラマはとても挑戦的だな、と思ったんです。「嫌だ!」って思う人がいても、「それはそれでいいんじゃない?」みたいな作品を、月9というスタンダードなところでやるのは勇気が要ると思うんです。その勇気を持って、みんなが戦っているような感じがあるので、これからも賛否を巻きこせるようになればいいな、と思いますし、最後まで予想できないまま進んでいけばいいな、と思っています。