

- これまでの撮影を通して、チーム“いつ恋”の印象はいかがですか?
- チーム“いつ恋”は……柔らかいです。ちょっと揉んだら、みんながどんどんそれに対応していける感じで、とても柔軟性があると思います。何にでもなれるんですけど、でもそれぞれがしっかり意思を持っている、というイメージです。
- 例えば完成披露試写会のときも、出演者のみなさんが、現場に対する
愛情について語っていましたよね。そういう雰囲気は素敵ですね。
- はい。とても大事なことだと思います。どうしてもちょっとピリッとしてしまう現場もあると思うんですけど、今回は、みなさんが自信を持って現場に臨まれてる感じがするのと、ちゃんと周りも見ていらっしゃるので自然と自分も引っ張っていただいてる感じがします。
- 小夏というキャラクターを演じるにあたって、制作サイドから
何かリクエストはありましたか?
- シーンのことを話すときに、いつも監督から言われているのは「練(高良健吾)は好き。だけど…」みたいなことですね。「練は好き。でも…」とか(笑)。ちょっとひねくれているような感じです。練に対する思いだけはブレないけど、他のことに対してはちょっとどうしたらいいか、みたいなことだと思います。
- 今回は坂元裕二さんが当て書きしたということですが、
それにしても危ういバランスのキャラクターですよね。
- そういう風に見えるんですね(笑)。でも私もちょっと小夏と似たようなところもあるので、「ああ、見抜かれているんだな…」って思っています。
- 逆に言うと、森川さん自身のさじ加減でいかようにも演じられる、
という難しさもあるのでは?
- 小夏って、いろいろなとらえ方が出来ると思うんです。時間の経過がある作品ですし、その度に変化もあるんですよね。その中で、ちゃんと元気にしているときもあれば、急にバランスがおかしくなっているときもあるんです。台本を読んでいて、「普通だったらそんなことでそんなに怒る?」って思ったシーンがあったんですけど、それをそのまま怒っている表現でお芝居をしたら、監督から「いや、ここはちょっと元気な方でやって!」って言われたこともあったんです。小夏っていろんな顔があって、いろんな表現が出来るんだな、って思いました。
- 有村架純さん、高良健吾さんの印象は?
- 有村さんは、お芝居をしているときに目を見ていると、強さを感じます。全部持っていかれそうで…。だから、あんまり音のことを見たくないな、ってちょっと思いました(笑)。高良さんは、普段のときも、練としているときも、小夏に対する接し方が優しいんです。ちょっとしたことでも気遣ってくれたりして…。
- その有村さんたちを始め、6人の若いキャストがそろったドラマです。
その中で、ライバル意識のようなものはありますか?
- お芝居の上では、音はライバルだと思っています。でも、木穂(高畑充希)ちゃんは敵じゃないですね。ただ、森川葵として見たら、全然ライバル意識みたいなものはないです。ただ、小夏にとって音は敵っていう感じ(笑)。
- 先ほどのお話じゃないですけど、「練は好き。でも音は敵」という
棘のようなものがあるんですね。
- そうなんのかもしれないですね。スタンバイ中とかは全然違うのに、現場に入ると見え方が違うというか…。
- そういう感覚は役者さんならではかもしれないですね。
- そうですね。普通、同じ人に対してふたつのイメージを持たないですもんね。
- 撮影現場で印象に残っている出来事は?
- 練のアパートの階段を上って廊下みたいなところでロケがあったときに、私がポテトチップスの箱で開けると何か飛び出てくる、みたいなおもちゃを、現場のお菓子ボックスみたいなところに置いておいたんです(笑)。まあ「誰か引っかかってくれれば面白いな」みたいなゆる~い気持ちで。そしたら、ちょうど私がお茶を取りに行ったタイミングで、目の前で高良さんがそれを開けて驚いてくれて、凄く嬉しかったです(笑)。ずっと見張っていたわけじゃないのに、ちょうどいいタイミングで、しかも高良さんが開けてくれるなんて奇跡ですよね(笑)。
- 森川さんは普段もよくそういういたずらをされるんですか?
- いえ、全然しないです。クリスマスが近かったんですね。で、友だちにクリスマスプレゼントをあげようと思ってラッピングの中にそのおもちゃを入れていたんですけど、「いや、これちょっと違うな…」って思って、おもちゃを入れるのは止めて、そのままずっと家に置いておいたんです。自分でやっても驚かないからどうしようと思って、たまたま現場に持って行ったんですよ。普段、そういうことをしようと思ったりはしないので、ホントにたまたまだったんです(笑)。
- でも、たまにはそういうのも面白いです。
恒例にしてもいいかもしれないですね。
- じゃあ、そういうことをする人がいなかったら、ちょっとずつやっていこうかな(笑)。
- 坂口健太郎さんから、このチームの俳優陣はよく食べるという
話も聞きましたが…。
- 食べます(笑)。美味しいものが好きなんですよね。みんなでよく「よし、美味しいものを食べに行こう!」って連絡を取り合っているんです。「肉にしよう!」とか(笑)。この前、スタジオのケータリングでお寿司が出たときも「やった!」って感じで、みんなたくさん食べてましたし(笑)。
- 撮影期間中ですと、全員そろってどこかに行くというのは
なかなか難しいですが、今回は実現したんですか?
- 1回、私はいけなくて5人がそろって行ったっていうのはありました。そのあとにもう1回企画されたんですけど、その時は架純さんと西島(隆弘)さんが来られなかったんです。そのあと、ようやくみんなで食事に行けました。それぞれ個別で、っていうのはどこの現場でもあるんですけど、こんなに「みんなで集まりたいね」っていう現場はなかなかないような気がします。
- 小夏は、この先どうなっていくんでしょうか?
- ちょっと聞いてしまって、「知りたくなかったな…」って思いました(笑)。
- タイトルも意味深ですからね。
過去なのか未来なのか、とか、いろいろな取り方もできますし。
- タイトルの意味は深いですよね。だから、“いつ恋”って略しちゃうのがもったいないような気がしてて。自分のブログとかでも書くときにも使っているんで全然いいんですけどね(笑)。でも、あんまり略したくないです。
- それはよく分かります。でも、いろいろと都合もあるので…。
- そうなんです! でも、簡単に“いつ恋”って言っていいドラマじゃないと思うんですよね。
- 最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんに
メッセージをお願いします。
- 6人それぞれの人生があるので、観て下さった方が「この気持ち、ちょっとわかるかも」と思えるエピソードが絶対にあると思うんです。そういうところに、共感してもらったり、苦しくなってもらえたりしたら嬉しいなって思っています。